2021 Fiscal Year Research-status Report
猫のレミフェンタニル耐性メカニズムの解明に向けた比較麻酔学的研究
Project/Area Number |
18K05968
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
柴田 早苗 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (20588917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野寺 理沙子 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 特任助教 (60720399)
オブライエン 悠木子 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (20582464)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | レミフェンタニル / 猫 / 犬 |
Outline of Annual Research Achievements |
レミフェンタニルは麻薬性オピオイドであり、人や犬に対して強力な鎮痛薬となる。また他のオピオイドと同様に、吸入麻酔薬の必要量を大幅に減少させる効果がある。レミフェンタニルの副作用として、徐脈や呼吸抑制が挙げられる。一方、猫に超高用量のレミフェンタニルを投与しても徐脈や呼吸抑制は生じず、異常行動が認められるのみである。さらに、猫ではレミフェンタニルが吸入麻酔薬の必要量を減少させなかったという報告が多く、鎮痛薬としての使用は推奨されない。これらの点から、猫にはレミフェンタニル耐性があると考えることができる。そこで本研究では、猫におけるレミフェンタニル耐性獲得メカニズムの解明を最終目標とし、動物種間でのレミフェンタニルの麻酔学的相違点を明らかにすることを目的としている。当該年度については、前年度に構築されたレミフェンタニル検出系を用い、血液に直接的に添加したレミフェンタニルを検出することを目的として研究を進めた。具体的には、犬および猫血液にレミフェンタニルを添加した血液サンプルを前処理し、液体クロマトグラフィーにてレミフェンタニル濃度を検出した。その結果、10 ng/ml以上のレミフェンタニルの検出は可能であったが、10 ng/ml未満のレミフェンタニルを検出することができなかった。現在我々が検討している実験系では、10 ng/ml未満のレミフェンタニルを検出することが必要であるため、今年度に実施した手法では、不十分であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
レミフェンタニル検出系を担当する研究分担者が海外異動となり、共同で研究を続けることが困難となってしまったことから、研究は遅れているといえる。また、研究代表者のライフワークバランスが十分に整わないことも研究が遅れている理由といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、研究代表者の研究機関にて、レミフェンタニル検出系を再構築することから始める予定である。その後、今年度と同様に検出感度を確認し、サンプル前処理を含めて、検討を続ける予定である。研究代表者は液体クロマトグラフィーを実施した経験がないため、学内の他の研究者と連携を取りながら、研究を進める。
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Causes of Carryover |
2019年度に研究代表者が産前産後休暇および育児休暇を取得していたことや、復帰後のワークライフバランスが乱れがちであったことから、全体的に研究は遅延してしまった。次年度を最終年度とすべく、研究を進めることが重要であると考えている。
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