2018 Fiscal Year Research-status Report
トキソプラズマ原虫に対する宿主免疫系におけるIRGB6の役割の解明
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18K05970
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
李 英愛 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任助教(常勤) (60610681)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | IFN誘導性GTPase / トキソプラズマ / 寄生胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
IRGB6はIRGの一つであり、トキソプラズマ原虫の寄生胞膜に動員された。そこで様々なIRGやGBPの遺伝子欠損マウス胎児由来線維芽細胞(MEF)を作成し、IRGB6の動員について検討した。その結果、IRGA6, IRGB10、GBP1、GBP2、GBPchr3 欠損MEFにおいてはIRGB6 の寄生胞膜への動員は正常であることを見出した。さらにユビキチンアダプター分子であるp62もトキソプラズマ原虫寄生胞膜へ動員されるが、p62欠損MEFにおいてもIRGB6の寄生胞膜動員は正常であった。しかし、制御性IRGであるIRGM1/IRGM3の二重欠損MEFではIRGB6の寄生胞膜動員は全く見られないことから、IRGB6の寄生胞膜動員はこれらのIRGやGBPの最上流で、IRGM1とIRGM3により制御されていることが示唆された。 IRGB6はN末端部位にGTPaseドメインとC末端部位にヘリックス構造を有している。GTPaseドメインに変異を加え、GTPase活性を失ったK69A変異体をIRGB6欠損MEFに戻してもIRGB6は寄生胞膜に蓄積しないことから、IRGB6のGTPase活性が重要であることは既に分かった。一方、C末端部位のヘリックス構造について、IRGB6のファミリー分子のIRGB10のヘリックス構造がIRGB10の細菌の寄生胞膜動員に重要であることを示していたことから、IRGB6のヘリックス構造の重要性についても検討した。その結果、ヘリックス構造中の正帯電極性アミノ酸に点変異を加えたIRGB6変異体をIRGB6欠損細胞に戻し寄生胞膜への蓄積を検討した結果、それらのアミノ酸が重要であることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに、目標を達成できているから。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に従って、1)IRGB6による生体レベルでのトキソプラズマ原虫排除のメカニズムの解明 および 2) IRGB6 によるサルモネラ菌に対する殺菌機構及びインフラマソーム活性制御機構の解明 を行う。
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Causes of Carryover |
所内の臨時の追加予算が付いたため、2018年度に予定していた消耗品費を使う必要がなくなった。2019年度は多種類の遺伝子改変マウスを作製する必要があるため、その分を次年度に持ち越した。
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