2019 Fiscal Year Research-status Report
代謝プロファイル解析によるリンパ腫新規治療戦略の展開
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18K05972
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
奥田 優 山口大学, 共同獣医学部, 教授 (10325243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上林 聡之 山口大学, 共同獣医学部, 助教 (50796414)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 犬 / 腫瘍 / リンパ腫 / 2-HG |
Outline of Annual Research Achievements |
犬リンパ腫細胞株4株(CLBL-1, CLC, Ema, 17-71)および健常犬末梢血単核球(PBMC)を材料としたメタボローム解析にて着目した代謝産物である,2-hydroxyglutaric acid(2-HG)に関する解析を引き続き行った。 人で2-HG蓄積の原因とされるイソクエン酸脱水素酵素(IDH)1およびIDH2の遺伝子変異解析の結果,数か所のSNPsと思われる変異が認められたものの,今回用いた材料においてはIDH1/2の遺伝子変異は2-HGの蓄積の原因ではないことが示唆された。2-HGが蓄積する他の原因として,D-2-ヒドロキシグルタル酸デヒドロゲナーゼ(D2HGDH)の異常による2-HGの分解異常が起こっている可能性を考え,遺伝子変異解析及び蛋白の発現解析を行っている。現在の所,クローニングによる変異解析を行っているが,有意な変異を発見することはできていない。また,蛋白の発現解析については,抗体の問題により解析が難航している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
D-2-ヒドロキシグルタル酸デヒドロゲナーゼ(D2HGDH)に対する良好な抗体がないことから,蛋白の解析が滞っている。また,明らかな2-hydroxyglutaric acid(2-HG)蓄積につながる原因が特定できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きいくつかの抗体を試して,D-2-ヒドロキシグルタル酸デヒドロゲナーゼ(D2HGDH)の解析を完了する。 また2-hydroxyglutaric acid(2-HG)が蓄積する他のメカニズムの候補を上げ,real-time PCRやWestern blottingによって犬のリンパ腫細胞における影響を調査する。さらに,2-HGの蓄積が多い細胞と少ない細胞における差異を比較する。2-HGは核酸のメチル化に影響を与えることが知られていることから,新たにWestern blottingによりヒストンのメチル化状態の変化に注目して解析を行うこととした。
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Causes of Carryover |
D-2-ヒドロキシグルタル酸デヒドロゲナーゼ(D2HGDH)のクローニングや抗体の検討に時間を要したことから,消耗品を中心とする物品費が繰越となった。次年度は使用する抗体の種類が増加する見込みであり,そちらに重点的に使用する予定である。
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