2020 Fiscal Year Annual Research Report
Reverse genetics system for Ibaraki virus reveals the pathogenecity of double-stranded RNA virus
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18K05992
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松尾 栄子 神戸大学, 農学研究科, 助教 (40620878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
万谷 洋平 神戸大学, 農学研究科, 助教 (30724984)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 二本鎖RNAウイルス / イバラキウイルス / 流行性出血病ウイルス / リアソータント / 病原性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はまず、昨年度末に農研機構動物衛生研究部門から分与された流行性出血病ウイルス血清型6(EHDV-6)沖縄分離株の性状について解析した。EHDV-2であるイバラキウイルス(IBAV)やEHDV-7および遺伝子改良法を用いて作出したリアソータントEHDVと比較したところ、いくつかの性状において違いがあることがわかった。次に、沖縄株の全ゲノム分節のcDNAのクローニングを行い、リアソータントEHDVの作製を試みたところ、IBAVおよびEHDV-7とのいくつかの組み合わせではリアソータントEHDVの産出効率に大きな差異があることが明らかとなった。 EHDVの病原性発揮のウイルス側の因子の一つである非構造タンパク質NS3について解析を行った。まず、NS3の細胞外ドメインと考えられる領域に存在するアスパラギンに変異を導入したIBAVを作製し、感染細胞中で合成されたNS3の糖鎖について解析を行い、糖鎖付加部位を確定した。また、糖鎖付加部位を始めとした細胞外ドメインに変異を導入したNS3変異EHDVの性状解析を行い、いくつかの変異が増殖性や細胞内局在に変化を与えることを明らかにした。 最後に、EHDV感染細胞における宿主因子の変動を解析したところ、いくつかの宿主因子の発現ならびに細胞内局在が非感染細胞に比べて大きく変動することが明らかとなった。本来ならば、本年度中に細胞内局在が変化した宿主因子とEHDVタンパク質を標的とした三次元CLEM解析を行うはずであったが、コロナウイルス感染症拡大防止のための非常事態宣言等による影響で完遂できなかった。しかし、昨年度に採択された三次元CLEMを行うための先端バイオイメージング支援プラットフォーム(ABiS)は来年度まで延長されたため、R3年6月までに解析依頼を完了する予定である。 以上の結果は、R3年度の日本ウイルス学会学術集会ならびに日本獣医学会学術集会にて発表するとともに、投稿論文としても発表予定である。
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Research Products
(5 results)