2020 Fiscal Year Research-status Report
オリゴデンドロサイト前駆細胞を用いたTmem86aの機能解析
Project/Area Number |
18K06000
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
小森 雅之 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (40183347)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | プラスマローゲン / Tmem86a / リゾプラスマロゲナーゼ / オリゴデンドロサイト前駆細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度も引き続きオリゴデンドロサイト前駆細胞の培養系について条件検討を行ったが、まだ成功していない。メタノール資化酵母におけるヒトTmem86aの異種発現系に関しては、前年度にC末端側半分(120-240 aa)をTmem86bのN末端側半分(1-123 aa)と融合させたFLAGタグ付きキメラタンパク質(Ch1)の過剰発現に成功したので、同様にして3種のキメラタンパク質(Ch2, Ch3, Ch4)の異種発現を試みた。Ch2はTmem86bの1-70 aaとTmem86aの68-240 aaを、Ch3はTmem86bの1-44 aaとTmem86aの37-240 aaを、Ch4はTmem86bの1-19 aaとTmem86aの6-240 aaをそれぞれ融合させた。Ch1を含め全てのキメラタンパク質発現株の無細胞抽出液にメタノールで誘導される約27kDaのバンドが検出された。Ch4の発現レベルは他の3種に比べて少し低かった。また、ヒトTmem86aに対する特異抗体を作製するための抗原として、引き続き、160残基目からC末端までとマルトース結合タンパク質との融合タンパク質(160C)の精製を試みたが、充分な量は得られなかった。そこで、組換え体大腸菌での発現量は低下するが、129残基目からC末端までとの融合タンパク質(129C)でも試みているが、160Cと同様に不溶化などのため充分量は得られていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
オリゴデンドロサイト前駆細胞の入手の困難さや培養の条件検討などのためOPC培養系の確立には至っていない。メタノール資化酵母を用いてヒトTmem86bとTmem86aを融合させた4種のキメラタンパク質(Ch1-4)の異種発現に成功した。そのうちのCh4はTmem86aのほぼ全長に近い6-240 aaを含んでいる。しかしながら、代表者の病気再発による約1ヶ月間の入院治療や新型コロナ感染症の再拡大のため、研究は遅れ気味で現在も実質的に停滞している。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒトTmem86bのN末端側とTmem86aのC末端側を融合させた4種のキメラタンパク質(Ch1-4)の酵母での過剰発現に成功したので、前年度のFLAGタグ付加ヒトTmem86bと同様に発現酵母株のミクロゾームから可溶化・精製し、プラスマローゲンを含むリン脂質との結合能や相互作用するタンパク質の同定などについて検討したい。また、Tmem86b ではTmem86aの保存性Cys(2カ所)がいずれもPheに置換しているので、この部位に注目してTmem86bの点変異体を作成して検討したい。
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Causes of Carryover |
代表者の病気再発による約1ヶ月間の入院治療や新型コロナ感染症の再拡大のため、予定していた物品費や旅費などを執行できなかった。これら未使用分については翌年度に繰り越し、次年度に使用する予定である。なお、現在も通院治療を継続しているが、順調に回復しており研究遂行に支障はない。
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