2018 Fiscal Year Research-status Report
The effects of adipose tissue-derived mesenchymal stem cell-derived exosomes on immune function
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18K06005
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
手嶋 隆洋 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 講師 (80610708)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | エクソソーム / 脂肪由来間葉系幹細胞 / 末梢血単核球 |
Outline of Annual Research Achievements |
犬の脂肪由来間葉系幹細胞(AT-MSC)から分泌されるエクソソームが免疫調節機能に与える影響を解析することを目的に平成30年度は下記の内容について検討を行った。 ①犬AT-MSCの培養上清より精製したエクソソームが犬の末梢血単核球(PBMC)に与える影響:密度勾配遠心法によって分離したPBMCをエクソソーム存在下で培養し、エクソソームの有無による免疫担当細胞(CD3+CD4+, CD8+)の発現割合を比較した。発現割合の比較検討にはフローサイトメーターを用いて行い、エクソソームの濃度による発現割合の変化についても解析した。 ②エクソソームがCD4+ Tcellのサイトカイン産生能に与える影響:分離したPBMCからマグネットビーズを用いてCD4+ Tcellを分離精製し、エクソソームの有無によるサイトカイン産生量(IL-1, IL-6, TNFa)をELISAによって測定した。 ③エクソソームの二次元電気泳動解析:炎症状態下のAT-MSCより分離したエクソソームの組成が異なるのかを検討するための方法として二次元電気泳動によるタンパク発現解析を予定している。そのため、二次元電気泳動によって明瞭なスポット分離を得るための条件を検討した。また、エクソソームを分泌するAT-MSCの炎症惹起の方法についてもサイトカイン産生や生存率の測定を利用して検討を行った。 本研究ではエクソソームの分離精製はPSアフィニティー法を利用しているため、エクソソームの表面抗原を利用した確認も実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題計画で立案した予定で計画が概ね進行しており、技術的な課題など研究計画の大きな変更が必要な問題点は生じていないから。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に従って研究を実施する予定である。 今後はエクソソームの解析を中心に進める予定であり、具体的には二次元電気泳動を用いたタンパク解析とmiRNAのアレイ解析を予定している。また、免疫担当細胞に与える影響については、PBMCから分離精製する細胞をより細分化し、詳細な検討を行う予定である。また、エクソソームの分離精製に用いているPSアフィニティー法についてはエクソソームの表面抗原を利用した方法によって検討する。
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Causes of Carryover |
エクソソームに含まれるたんぱく質やmiRNAの同定解析において必要な蛍光測定装置の購入を行っていないため、次年度使用額が生じた。平成31年度は蛍光測定装置の必要性が高いことから、本機器の購入に使用する予定である。
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