2020 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanisms of ulcerative colitis focusing on mucosal barrier disorder caused by bacteria possessed flagella
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18K06019
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
山中 仁木 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 准教授 (30533921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増山 律子 立命館大学, 食マネジメント学部, 教授 (60297596)
大沢 一貴 長崎大学, 先導生命科学研究支援センター, 教授 (90244756)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ヘリコバクター属菌 / 盲大腸粘膜 / 腸内細菌叢 / 粘膜バリア / マウス / 抗菌ペプチド |
Outline of Annual Research Achievements |
Helicobacter japonicus Mu-ngs1株に感染後3か月経過したBALB/cマウスにおいて、非感染マウスと比較してラクトバシラス属、バクテロイデス属が増加したのに対しクロストリディウム属XIVaおよびIVサブクラスターに属する菌が減少し、感染による腸内細菌叢構成への影響が明らかとなった。Mu-ngs1株感染による宿主腸粘膜防御機構への影響が考えられ、Mu-ngs1株感染後6ヵ月経過した長期感染マウスにおける盲腸および大腸粘膜における抗菌ペプチド等の発現について調べた。その結果、主に生息部位として考えられる盲腸粘膜において粘液成分MUC2や有鞭毛細菌に抗菌効果を示すLYPD8の発現は、感染後3週後の感染初期では対照群と比較して低下していたものの、長期感染時では有意差は見られなかった。一方、βdefensin14、Reg3βおよびReg3γの発現は、対照群と比較して感染初期から長期にわたり有意に増加していた。感染初期におけるMUC2やLYPD8の発現低下は、Mu-ngs1株易定着のための変化とみられ、発現が増加した3種の抗菌ペプチド発現増加が腸内細菌構成に影響しdysbiosisを誘導した可能性が考えられた。それらの抗菌ペプチド発現評価系として大腸上皮オルガノイド作成方法の確立を試みた。研究分担者増山律子の協力を得て、腸上皮オルガノイド作成について検討したところ、3次元的に増殖する腸上皮オルガノイドが観察された。確立した方法により、独自に大腸上皮オルガノイド作成し株化細胞では評価できない抗菌ペプチド発現の評価が可能となる。 一方、実験用マウスから我々が分離したH.mastomyrinus分離株は、SCIDマウスに感染させたところ盲腸粘膜の重度の肥厚が見られ強い病原性を示した。SCIDマウスで認めた病態の組織学的免疫学的解析および免疫正常マウスを用いて病原性解析について進めている。
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Research Products
(3 results)