2020 Fiscal Year Research-status Report
異なる遺伝子背景に起因する抗核抗体値上昇機構の解析
Project/Area Number |
18K06027
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
伊藤 禎洋 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (30345722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長友 啓明 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (30746813)
神沼 修 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (80342921)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アレルギー / 免疫反応の系統差 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、当初、抗核抗体価の上昇を指標として、C57BL/6系統の遺伝子背景(Apcs-/-; 129/Sv//Ev × C57BL/6)に存在する129/Sv//Ev領域{D1Mit36(76.73cM)からD1Mit115(82.78cM)}の免疫に関係する遺伝子群をランダムに20遺伝子、ゲノム編集法で破壊する予定でいた。そのため、ホモ個体1匹について、全ゲノムシーケンスを行った。 しかし、Proc Natl Acad Sci U S A. 2017 Aug 22;114(34):9158-9163.Complete overview of protein-inactivating sequence variations in 36 sequenced mouse inbred strainsの論文より、C3H/Heマウスは、LPS刺激、IL1α経由の感染に対して耐性であると解った。このことにより、C3H/He系統の遺伝子背景では、炎症のシグナルが入らないために抗核抗体値上昇が起きないのであろうと強く推測された。 従って、同じように、ゲノム編集法で破壊した遺伝子が、抗核抗体価の上昇に関わる遺伝子であるか否かが解るが、抗核抗体値上昇の原因であるとは、到底、結論出来ないと解った。 また、ホモ個体群を飼育するうちに、1年半をすぎて、肥満して突然死する個体、及び前脚と後脚の間の腹部を体液が出る程、掻きむしる個体がでてきた。免疫に関わると思われる表現系が現れたことで、まず皮膚アレルギー発症を疑って、リアルタイムPCRによる解析を行うことにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ホモ個体1匹について、全ゲノムシーケンスを行った。 ホモ個体群のうち、1年半をすぎて、肥満して突然死する個体、及び前脚と後脚の間の腹部を体液が出る程、掻きむしる個体がで来るため、解析のため多くのマウス個体数を長期間飼育する必要がある。また、リアルタイムPCR解析では、マウス白血球からのmRNA 抽出は、量が取れないために、どの遺伝子について解析すれば、効率的か思案中である。
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Strategy for Future Research Activity |
抗核抗体値については、まだ調べていない。まず、高齢のマウスについて、行う。 リアルタイムPCR解析の為に、半年、1年、1年半のホモと野生型個体の白血球、脾臓、リンパ節、肝臓、皮膚からRNA抽出を行う。
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Causes of Carryover |
飼育しているマウスに新たな表現系(皮膚アレルギー)が、出た事で、その表現系解析に研究方針が変わった。 新型コロナウイルス感染症対策の為、県外へ出る学会出張を控えた為である。
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