2020 Fiscal Year Annual Research Report
Study of regulation on the function of male reproduction by incretin using model animals of obesity and diabetes
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18K06033
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
浅野 淳 鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 教授 (90312404)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | マウス / インクレチン / 精子形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス由来のライディッヒ細胞株MA-10およびセルトリ細胞株TM4を用いて、インクレチンによる刺激が細胞の機能に与える影響を調べるため、レポータージーンアッセイを用いて細胞内cAMP経路の活性化がおこるのかどうか解析した。まず両細胞株に、エンハンサーとしてcAMP応答配列を有するルシフェラーゼレポータープラスミド[pNL(NlucP/CRE/Hygro)]を細胞内に導入し、ハイグロマイシン存在下で増殖した薬剤耐性細胞を選抜した。つぎに、薬剤耐性細胞に、GIP受容体アゴニストとしてヒト[D-Ala]-GIP、GLP-1受容体アゴニストとしてエキセナチドを用いて1時間、2時間、ないし4時間の刺激を行った。陰性対照として溶媒(DMSO)刺激細胞を用いた。刺激後の細胞溶解液を用いてルシフェラーゼ活性を測定した。その結果、MA-10細胞では溶媒刺激と比較して、ヒト[D-Ala]-GIPの1時間、2時間刺激でルシフェラーゼ活性が1.8倍の有意な上昇がみられた。一方エキセナチド刺激では有意な上昇はみられなかった。また、TM4細胞では、溶媒刺激と比較するとエキセナチドの1時間および4時間刺激で1.5~2.0倍の有意な上昇がみられた。一方ヒト[D-Ala]-GIP刺激では有意な上昇はみられなかった。これまでの成績ではMA-10細胞ではGLP-1受容体mRNAが、TM4細胞ではGIP受容体mRNAがほとんど検出されなかったので、今回の実験成績は受容体mRNA発現レベルの解析結果を裏付けるものとなった。また、精巣に存在するインクレチン受容体発現細胞では、インクレチン刺激によりcAMP経路が活性化する可能性が示された。
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