2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of MODY5 model mouse using blastocyst complementation
Project/Area Number |
18K06044
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Research Institution | Central Institute for Experimental Animals |
Principal Investigator |
橋本 晴夫 公益財団法人実験動物中央研究所, 教育・研修室, 主任 (30353478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
外丸 祐介 広島大学, 自然科学研究支援開発センター, 教授 (90309352)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 胚盤胞補完法 / MODY5 / MODY2 / 糖尿病 / インスリン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は難病で、現在まで疾患モデルのない腎疾患を伴う若年発症成人型糖尿病(Maturity-onset diabetes mellitus of the young type5; MODY5)モデルマウスを胚盤胞補完法の利用により作製することを目的とした。MODYのほとんどは原因遺伝子のヘテロ欠損によるドミナントネガティブ疾患であるため、通常のジーンターゲッティングでは作製出来ない。また、コンディショナルノックアウト(KO)法による膵臓と腎臓の臓器特異的疾患モデルの作製は1年半以上の時間を要し、loxPの不完全消化により期待通りに発症しない恐れもある。そこで、今回はHNF-1β遺伝子に対するshRNAおよび導入マーカとしてGFPを発現する配列をES細胞(shRNA-ES細胞)を、膵臓および腎臓欠損マウスの胚盤胞期卵へ注入することにより短期間で膵臓および腎臓特異的にHNF-1β遺伝子の発現が欠落するMODY5モデルの作製を試みた。 その結果、shRNA-ES細胞を膵臓欠損であるPDX-1KOマウスの胚盤胞にインジェクションした結果、作製されたキメラマウスは糖尿病を示した。さらに、膵臓をサンプリングし免疫染色にて観察したところ、ランゲルハンス島は委縮しておりインスリンの分泌は著しい低下もしくは枯渇を示した。 さらに、MODY2モデルであるグルコキナーゼKOマウスとGFP発現マウスの掛け合わせから樹立したES細胞(GckKO-ES細胞)をPDX-1KOマウスの胚盤胞にインジェクションした結果、糖尿病を示したが、MODY5よりは軽度であった。 しかしながら、腎臓欠損であるSall1KOマウスの胚盤胞補完法では疾患キメラマウスを得ることができなかった。 すなわち、疾患ES/iPS細胞(ドナー細胞)を用いた胚盤胞補完法は、ドナー細胞の特性を反映することが示された。ヒトの疾患iPS細胞を用いることによりマウスでのオーダーメイド医療を可能にすることが期待される。
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Research Products
(1 results)