2019 Fiscal Year Research-status Report
Novel mechanism of pericentromere-specific heterochromatin formation
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18K06061
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
太田 信哉 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 講師 (00631194)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 染色体 / セントロメア / ヘテロクロマチン |
Outline of Annual Research Achievements |
Znic finger protein 518 (ZNF518AおよびZNF518B)とHeterochromatin protein 1 (HP1α, HP1β, HP1γ)およびCENP-Bとの相互作用の検証を試みた。上記タ ンパク質の全ての組み合わせについて、相互作用の有無をin vivoにおいて確認することで、ZNF518はHP1とCENP-Bのどちらにも相互作用することを見出した。さ らに、様々なZNF518変異体を作成し、この測定系を用いることで、ZNF518内部のHP1結合ドメイン、CENP-B結合ドメイン等を特定した。 また、大腸菌を用いてZNF518B, HP1α, HP1β, HP1γを大量産生し、それぞれを精製することにも成功した。ただし、ZNF518Bに関しては、不溶性の性質を有 していたことから、上記で見出した2つの結合ドメインを含むタンパク質一部として産生することで可溶化し、精製した。これらの精製したタンパク質を用いる ことで、それぞれのタンパク質間の相互作用をin vitroにおいて確認する実験系を構築することができた。 また、それぞれのドメインがZNF518のペリセントロメアへの局在へどの程度関与しているのか、上記で作成した変異体を利用して確認することができた。その 結果、ZNF518においては、CENP-Bへの結合とHP1への結合、2つの活性により特異的なペリセントロメア局在を維持していることを見出した。 また、ZNF518はヒストンメチル化酵素の一つG9aとの相互作用も報告されていることから、ペリセントロメアのヘテロクロマチン化機構に関して、これまで提唱されているメカニズムとは別のパスウェイがあることを示唆する研究成果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vivoにおいて、ZNF518AあるいはBとHP1α, HP1β, HP1γそして、CENP-Bとの相互作用を確認するだけでなく、単独のドメインのみでも相互作用ができることも確認できた。 in vitroにおいて、ZNF518B欠失変異体とHP1α, HP1β, HP1γの精製に成功し、これらの相互作用を確認する実験系を構築することができた。それだけでなく、in vivoではZNF518の結合部位は必ずヘテロクロマチン化されていることも確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
前述のように、HP1やZNF518のin vitroでの精製に成功しているにも関わらず、CENP-Bをin vitroで精製することが未だできておらず、ZNF518とCENP-Bとの相互作用をin vitroで確認することが今後の課題となる。また、ZNF518昨日の生物学的意味については、より慎重な考察が必要である。
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Research Products
(1 results)