2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of specific recognition mechanism of self-antigen by B cell inhibitory co-receptor CD72
Project/Area Number |
18K06078
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
沼本 修孝 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (20378582)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | X線結晶構造解析 / 単粒子解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、CD72と自己抗原Sm/RNPとの間の特異的な分子認識機構の構造基盤を解明する。研究最終年度の2020年度は以下の通り研究を実施した。 1. 大きなタンパク質-核酸複合体であるSm/RNPの構成タンパク質のうち、特に強くCD72と相互作用する配列部位を発現させ、CD72のリガンド結合ドメインとの共結晶化を行った。微結晶が得られたため、SPring-8における高輝度マイクロフォーカスビームと高度に連携した自動測定、自動解析システムを用いて結晶構造を2.0 A分解能で決定した。得られた構造から、CD72単体での結晶であったことがわかった。 2. Sm/RNPについて、観察試料の調製法を改善し、予備的なクライオ電子顕微鏡での単粒子解析により良好な二次元平均像が得られた。CD72との複合体の立体構造解析が十分に可能であると考えられる。 期間全体を通して、CD72のリガンド結合ドメインの高純度大量精製法を洗練させ、特に構造未決定であった、自己免疫疾患を自然発症するモデルマウスのアリルである、CD72cのリガンド結合ドメインについて結晶構造を決定した。これにより、正常型CD72とCD72cとで、Sm/RNPへの結合親和性が大きく異なるという実験結果について、分子表面の静電ポテンシャルが大きく異なるという分子機構を解明した。また、研究開始当初は計画に含まれていなかったものの、近年のクライオ電子顕微鏡による単粒子解析法の急速な発展に伴い、分子量の大きいSm/RNPとCD72の複合体についての構造解析への適用を検討し、予備的な試料観察から今後の立体構造解析が十分に期待される結果を得ることができた。
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Research Products
(3 results)