2018 Fiscal Year Research-status Report
Structural study of infection molecular mechanism of the mouse norovirus.
Project/Area Number |
18K06091
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
水谷 健二 横浜市立大学, 生命医科学研究科, 助教 (10525570)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | マウスノロウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
ノロウイルスは、急性胃腸炎の主要因となるウイルスであり、全世界のノロウイルス性胃腸炎に罹患する人数は年間7億人にのぼる。しかしながら、ノロウイルスに対する有効なワクチンは未だに開発されておらず、また、感染機構についてもほとんど明らかになっていない。ヒトノロウイルス(HuNoV)の増殖に必要な強力な細胞培養方法が開発されていないことは、ノロウイルス研究が進展しない一因となっている。そのため近年発見された培養可能なマウスノロウイルス(MNV)はHuNoVの代替モデルとして重要な研究対象となっている。本研究では、CD300ld及びCD300lfという1回膜貫通型のタンパク質がMNVの感染受容体であることが明らかになったことを受け、この感染受容体タンパク質とMNVのキャプシドタンパク質との相互作用の解明を試みることにした。 本研究の意義は、MNVの感染・増殖機構に関する分子的な理解を深めることと、HuNoVの感染・増殖機構の理解やNuNoVのワクチンの開発のための基盤構築にある。将来的に抗ウイルス剤や消毒剤などの開発に利用することを想定し、感染時に関わる分子について高分解能の立体構造を明らかにすることを目的とする。 本年度はまず、マウスノロウイルスのキャプシドタンパク質VP1のPドメインとマウス側の受容体であるCD300lfの大腸菌大量発現系の構築を行った。CD300lfはインクルージョンボディーからリフォールディングによって可溶性タンパク質として精製を行なっていたが、収量が安定しない問題があった。リフォールディング条件の検討により結晶構造解析に十分な量を再現性よく調製することが可能となった。調製したCD300lfとVP1-Pドメインが複合体を形成することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
我々が解明を目指すCD300lfとPドメインの立体構造が昨年度中に他グループによって報告されたため、研究計画を変更する必要があった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画を変更し、CD300ldに焦点を絞り研究を進める。
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Causes of Carryover |
蛍光検出器の購入を予定していたが、当該検出器を取り付けるクロマトグラフィー装置が故障し、昨年度中に修理の目処が立たなかったため、購入を延期することにした。クロマトグラフィー装置の修理が済み次第、計画通り購入する。
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