2020 Fiscal Year Research-status Report
がん抑制に関わる選択的スプライシング制御蛋白質の標的遺伝子の同定と認識機構の解明
Project/Area Number |
18K06093
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
桑迫 香奈子 武蔵野大学, 薬学部, 講師 (10568736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 裕介 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (90304302)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | mRNAスプライシング / 結晶化 |
Outline of Annual Research Achievements |
特定のスプライシング制御蛋白質が,アポトーシス誘導に関わる遺伝子の選択的スプライシングを制御することで,がん化の抑制に寄与すると考えられている。しかし,実際に,この蛋白質が選択的スプライシングを制御する遺伝子の数や種類,標的配列とその認識機構は未知である。そこで,本研究では機能・構造解析によって,この蛋白質によるスプライシング制御メカニズムを明らかにすることを目的とする。 この蛋白質にはN末端側にRNA結合ドメインが3つあり,この部分が協動的にRNA結合を担っていると考えられる。そこで,この部分の蛋白質(以下トリプルドメイン)と標的配列を含むRNA断片との共結晶の作製を試みている。トリプルドメインの調製は,(1)無細胞タンパク質合成系に界面活性剤を添加して合成し,あらかじめ付加しておいたタグによるアフィニティークロマトグラフィー,タグの切断,ゲルろ過クロマトグラフィーの順に精製する方法,(2)2種類のタグを付加して大腸菌内で発現させ,2種類のアフィニティークロマトグラフィーを行った後にタグを切断して,さらにゲルろ過クロマトグラフィーを行う方法,の2通りを構築してきた。今年度は,これら2通りの方法の再検討を行ったところ,後者ではスケールアップしても収量が上がらないのに対し,前者では,無細胞タンパク質合成系に特定の界面活性剤を添加することで,最終的に,安定した収量が得られることを見出した。現在,前者の方法で調製したトリプルドメインに,標的配列を含むRNA断片を混合し,複合体での結晶化の再現性を確認するとともに,再度,結晶化のスクリーニングを改めて行っている。今後は,立体構造解析に適した結晶が得られるように結晶化の条件をさらに検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナの流行に伴い,研究の中断や制限があったため。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナの感染防止に留意しながら,次年度は,研究活動を継続していきたい。 特に,トリプルドメインの調製方法は確立できたため,立体構造解析に適した共結晶を得るために,コンストラクト等についても検討したい。
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Causes of Carryover |
新型コロナの流行に伴い,研究の中断や制限があったため,予定よりも遅れている。試料の調製や,共結晶化スクリーニングに必要なものを購入する予定である。
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