2019 Fiscal Year Research-status Report
Integrated analysis of the bacterial divisome using multiple probes
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18K06094
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
松村 浩由 立命館大学, 生命科学部, 教授 (30324809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉澤 拓也 立命館大学, 生命科学部, 助教 (50779056)
田中 俊一 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (70591387)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 細胞分裂タンパク質 / 阻害剤開発 / 蛍光プローブ開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、(i)マルチプローブによるDivisome複合体による膜陥入モデルの構築、(ii)マルチプローブを用いた抗MRSA薬の開発基盤の構築を行った。 (i)については、高速AFMの観察条件を最適化することで、FtsZの離合集散過程の観察を行うことができ、分子レベルでの動的挙動とフィラメント形成に与える影響を詳細に調べ、解析することができた。さらに、阻害剤の結合構造から蛍光プローブBOFPを設計・開発し、SaFtsZ-BOFP複合体のX線結晶構造解析、ならびに阻害剤の親和性評価を行った(Sci. Rep. 9, 20092, 2019)。今後このFtsZ特異的蛍光プローブを用いることによって更なる解析を行う予定である。 (ii)については、マルチプローブを用いた抗MRSA薬の開発基盤の構築を行った。抗菌薬開発については、これまでブドウ球菌MRSAの細胞分裂タンパク質FtsZに結合する抗菌薬を開発したが(ACS Chem. Biol., 12, 1947, 2017)、さらにその阻害剤に改良を加えた新たな阻害剤を共同で開発することができ、その阻害剤とFtsZとの複合体構造をX線結晶解析法によって決定することができた。さらに、FtsZ阻害薬が効かないとされてきた肺炎桿菌や病原性大腸菌に対する阻害活性を測定したところ、肺炎桿菌や病原性大腸菌に対しても効果があることが分かった。これまで、肺炎桿菌由来FtsZ(KpFtsZ)と大腸菌由来FtsZ(EcFtsZ)については、構造解析の報告がなかったため、今回、発現系から構造解析までを行い、論文として発表した(Acta Cryst. F 76, 86-93, 2020)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(i)マルチプローブによるDivisome複合体による膜陥入モデルの構築、(ii)マルチプローブを用いた抗MRSA薬の開発基盤の構築、それぞれにおいて進展が見られ、おおむね順調に進展していると考えている。理由を以下に述べる。 (i)については、高速AFMを用いた詳細な解析を行うことができた。さらに、新たに阻害剤の結合構造から蛍光プローブBOFPを設計・開発し、SaFtsZ-BOFP複合体のX線結晶構造解析、ならびに阻害剤の親和性評価を行うことができたため(Sci. Rep. 9, 20092, 2019)、今後この蛍光プローブを用いることによって更なる解析が可能となった。 また、(ii)についても、新たな阻害剤の結合構造をX線結晶解析法によって決定することができた。また、その作用機序の理解を新たに展開させて、肺炎桿菌や病原性大腸菌に対しても阻害剤が効果を示すことが明らかとなった。そこでこれまで、構造解析の報告がなかった肺炎桿菌由来FtsZ(KpFtsZ)と大腸菌由来FtsZ(EcFtsZ)について、発現系から構造解析までを行い、その成果を論文として発表することができた(Acta Cryst. F 76, 86-93, 2020)。
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Strategy for Future Research Activity |
(i)マルチプローブによるDivisome複合体による膜陥入モデルの構築 Divisomeが「どのようにして膜を陥入させる駆動力を発揮するのか?」を解明するためにも更にマルチプローブによる解析を行う。具体的には、新たに開発したFtsZ特異的蛍光プローブを用いた離合集散解析を行う予定である。さらに、Divisomeタンパク質を結合させることによって、FtsZの挙動解析を行い、可能であればFtsZ-Divisomeタンパク質複合体のX線結晶解析を行う予定である。 (ii)マルチプローブを用いた抗MRSA薬の開発基盤の構築 新たな阻害剤が、FtsZ阻害薬が効かないとされてきた肺炎桿菌や病原性大腸菌に対しても効果があることが分かったため、肺炎桿菌や病原性大腸菌FtsZと阻害剤との複合体の構造解析を行い、それらの立体構造情報をもとに新たな抗MRSA薬の開発を行う予定である。
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[Presentation] X-ray crystallographic analysis of S. aureus FtsZ complexed with inhibitors and a fluorescent probe2019
Author(s)
Mayuki Ozawa, Junso Fujita, Takuya Yoshizawa, Natsuko Kuroda, Haruna Terakado, Ryo Uehara, Edgar Ferrer-Gonzalez, Julia M. Nelson, Alyssa J. Pilch, Elani Hillman, Ajit K. Parhi, Edmond J. LaVoie, Daniel S. Pilch, Hiroyoshi Matsumura
Organizer
International Symposium on Diffraction Structure Biology 2019(ISDSB2019)
Int'l Joint Research
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