2018 Fiscal Year Research-status Report
ヒトクローディン-11の立体構造解析に基づいた血液精巣関門の構造基盤研究
Project/Area Number |
18K06100
|
Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
篠田 雄大 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (10597868)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松波 秀行 沖縄科学技術大学院大学, 生体分子電子顕微鏡解析ユニット, 研究員 (80444511)
染谷 友美 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 上級研究員 (80450401)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 大腸菌無細胞タンパク質合成技術 / 膜タンパク質 / モノクローナル抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
1、ヒトクローディン-11高純度標品の大量調製 モノクローナル抗体作製では大量かつ高純度の抗原タンパク質が必要である。ヒトクローディン-11については、本課題開始前より大腸菌無細胞タンパク質合成技術(Shinoda et al, Sci.Rep.(2016))を利用した試料調製を可能としていたことから、本課題では高純度標品調製の条件検討から開始した。精製タグを利用したアフィニティカラム精製とゲルろ過カラム精製によって、純度90%超の精製標品が無細胞合成反応液10 mlあたり約0.5 mg調製する手法を確立し、これによってモノクローナル抗体作製に用いる高品質かつ大量の抗原タンパク質調製が可能となった。 2、抗ヒトクローディン-11モノクローナル抗体作製 本課題では、構造解析用抗膜タンパク質抗体の作製で広く用いられている手法(Hino et al, Curr.Opin.Struct.Biol.(2013))に準じて、抗ヒトクローディン-11抗体のスクリーニングを実施した。免疫原にはリン脂質リポソーム膜へ再構成させたヒトクローディン-11を使用し、免疫とハイブリドーマ作製については外部業者へ委託した。構造解析用抗膜タンパク質抗体には強固な結合性と構造認識性が求められることから、抗体クローンのスクリーニングでは結合性を重視したアッセイ(リポソームELISA、変性ELISA、蛍光ゲルろ過カラム解析)を実施し、高親和性を示すヒトクローディン-11構造認識性の抗体クローンとして5クローンを選抜した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
課題申請時に予定していた通り、平成30年度では、大腸菌無細胞タンパク質合成技術により調製した精製ヒトクローディン-11を免疫原とした抗体作製を実施し、目的通り高親和性を示すヒトクローディン-11構造認識性の抗体クローンを得たことから、おおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和元年度では、抗ヒトクローディン-11抗体の各クローンについてモノクローナル化とクローニングを行う。また、それぞれの遺伝子情報を元に抗体フラグメントの発現プラスミドを作製し、動物細胞や大腸菌無細胞タンパク質合成技術を利用した発現システムでの大量調製手法を構築する。
|
Causes of Carryover |
平成30年度では、抗ヒトクローディン-11モノクローナル抗体のスクリーニング実験に用いるELISAプレートの使用枚数が課題申請時の想定より少なく済んだため、次年度使用額を生じた。 この次年度使用額については、令和元年度分として請求した助成金と合わせて、ヒトクローディン-11の精製用試薬(脂質、界面活性剤など)の購入に充てる。
|