2019 Fiscal Year Research-status Report
ヒトクローディン-11の立体構造解析に基づいた血液精巣関門の構造基盤研究
Project/Area Number |
18K06100
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
篠田 雄大 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (10597868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松波 秀行 沖縄科学技術大学院大学, 生体分子電子顕微鏡解析ユニット, 研究員 (80444511)
染谷 友美 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 上級研究員 (80450401)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 大腸菌無細胞タンパク質合成技術 / モノクローナル抗体 / 膜タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
「抗ヒトクローディン-11抗体の遺伝子配列決定」 タンパク質の立体構造解析において、タンパク質の立体構造を認識するモノクローナル抗体は抗原タンパク質立体構造の保持や結晶性の改善などの効果があるため、特に、構造が不安定な膜タンパク質の立体構造解析では非常に有効なツールとなっている。ヒンジ部を中心に各ドメインが比較的自由に動いてしまう全長IgG抗体は構造解析ツールとしては使いづらいことから、立体構造解析に用いる抗体には、FabやFv、あるいはscFvやFv-claspなどの抗体フラグメントを用いることが一般的である。 そこで、本研究課題では、昨年度選抜した高親和性を示すヒトクローディン-11構造認識性の抗体、6クローンのリコンビナント発現での抗体フラグメント調製の為、各クローンの遺伝子配列解析を実施した。具体的には、まずハイブリドーマ細胞を遺伝子抽出に必要な細胞数まで増殖させ、total RNAを抽出した後、5’-RACE法でcDNAを合成した。一方、培養上清中の抗体について市販キットを使用したisotypingを実施し、各クローンのisotypeを決定した。この合成cDNAについて、各クローンのisotype特異的なprimerを使用してPCRにより各クローンの抗体遺伝子を増幅し、TA cloning法により抗体遺伝子をクローニングし、遺伝子配列を決定した。現在は、この遺伝子情報を利用して、各クローン抗体フラグメントの発現プラスミドを作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成31年度では、抗ヒトクローディン-11抗体フラグメントのリコンビナント発現系による大量調製手法の構築まで進める予定であったが、抗体遺伝子クローニングでのハイブリドーマ細胞を必要量まで増殖させる工程において、技術的なトラブルによって作業が遅延し、予定通り進めることができなかった。このことから、本研究の進捗はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度では、まず昨年度の目標であった抗ヒトクローディン-11抗体各クローンの抗体フラグメントの大量調製系を構築する。次に、ヒトクローディン-11との複合体を調製し、サイズ排除カラム上の溶出パターンや熱安定性を指標に性状が良好な抗体クローンとの組み合わせを調べ、立体構造解析に向けた優先順位を定める。立体構造解析では、結晶化条件スクリーニングと並行してクライオ電子顕微鏡による単粒子解析を実施する。
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Causes of Carryover |
研究進捗が少し遅れたことにより、当初計画していた抗体断片の発現プラスミド作成に関わる消耗品の消費量が少なかったことから、次年度使用額3,410円を生じた。 この次年度使用額については、令和2年度も引き続き抗体断片発現プラスミド作成関連の消耗品に充てる予定である。
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