2021 Fiscal Year Research-status Report
ヒトクローディン-11の立体構造解析に基づいた血液精巣関門の構造基盤研究
Project/Area Number |
18K06100
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
篠田 雄大 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (10597868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松波 秀行 沖縄科学技術大学院大学, 生体分子電子顕微鏡解析ユニット, スタッフサイエンティスト (80444511)
染谷 友美 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 客員研究員 (80450401)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 大腸菌無細胞タンパク質合成技術 / モノクローナル抗体 / 膜タンパク質 / クライオ電子顕微鏡 / X線結晶構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
1、ヒトクローディン-11・抗ヒトクローディン-11抗体断片複合体のクライオ電子顕微鏡法による単粒子解析 昨年度から引き続き、本課題の目的であるヒトクローディン-11・抗体断片複合体の立体構造解析の為、300 kVのクライオ電子顕微鏡Titan Krios(Thermofisher社)による測定と単粒子解析を実施した。単粒子解析に使用する画像解析プログラムにはrelionに加えてCryosparc(Punjanni et al, Nature Methods, 2017)を用いたが、現時点においては2D classificationで粒子像を確認するまでに留まっており、三次元マップの取得には至っていない。現在は、解析結果から判明したいくつかの課題について改善策を試行している。 2、抗ヒトクローディン-11抗体断片のX線結晶構造解析 抗体の立体構造情報は、本課題の目的であるヒトクローディン-11・抗体断片複合体のクライオ電子顕微鏡法による単粒子解析を進める上で非常に有用である。そこで、ヒトクローディン-11・抗体断片複合体の立体構造解析に用いている3クローンについて、抗体断片単独での結晶化条件スクリーニングを進めたところ、そのうち2クローンの結晶化に成功した。これらの結晶のうち、一方のクローンについては大型放射光施設SPring-8のビームライン BL26B2で回折実験により1.8オングストローム分解能の回折データを取得し、構造決定に至っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
課題申請時に予定していた通り、ヒトクローディン-11・抗体断片複合体のクライオ電子顕微鏡を利用した単粒子解析を実施しているが、構造決定には至っていない為。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度前半は、引き続きクライオ電子顕微鏡を利用したヒトクローディン-11・抗体断片複合体の単粒子解析を進める。これまでの解析結果から判明したいくつかの課題、特に複合体構造の安定性と多型の存在について改善策を試行し、構造決定を目指す。一方、抗体クローンのX線結晶構造解析についても、構造決定に至っていないクローンについて進めていく。いずれも今冬を目途として、以降はその時点までの成果を基に学術誌への発表準備を進める。
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Causes of Carryover |
令和3年度は、本研究課題に関する大型放射光施設SPring-8でのX線解析実験をリモートで実施したため、旅費が発生せずにその分が次年度使用額となった。この差分については、進捗が遅れている、膜タンパク質・抗体断片複合体の立体構造解析の試料調製に充てる。
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