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2018 Fiscal Year Research-status Report

骨のコラーゲン線維分解におけるグリコサミノグリカンの新たな機能の解明

Research Project

Project/Area Number 18K06106
Research InstitutionHirosaki University

Principal Investigator

多田羅 洋太  弘前大学, 医学研究科, 助教 (00443995)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywordsグリコサミノグリカン / コラーゲン / カテプシンK / 質量分析 / 骨分解
Outline of Annual Research Achievements

コラーゲンとグリコサミノグリカン(GAG)は骨の主要な有機成分であるにもかかわらず、その相互作用はこれまでほとんど知られていなかった。しかし酸性条件下でのみGAGがコラーゲン線維に結合することで耐酸性コラーゲン線維が形成されることが明らかとなったことで、コラーゲン分解においてGAGが何らかの役割を担うことが予想されている。
該当年度では、GAGの結合により形成される耐酸性コラーゲン線維がカテプシンKにより分解される様子を観察するために、動物骨組織の小片を調製した。まずウシ及びブタの骨を切断して5mm程度の小片とし、金属キレート剤による脱灰を行った。さらにコンドロイチナーゼABC処理によりGAGを除いた骨を調製した。以上のように骨小片を調製したことにより、次年度で実施するカテプシンKによる分解実験と走査型電子顕微鏡による骨表面の観察実験のための実験試料を揃えることができた。
カテプシンKによるコラーゲンの初期切断点についても検討を行った。カテプシンKにより分解されたコラーゲンの断片を質量分析器を用いたLC-MS/MS解析により網羅的定量解析を実施することで、GAGの影響について調べた。この結果、GAGにより特異的に産生されるコラーゲンペプチドが同定された。このようなコラーゲンペプチドの産生をモニターすることで、カテプシンKによるコラーゲン分解メカニズムとGAGの役割を明らかにすることができる。
酵素による反応メカニズムをより詳細に解析するためには酵素反応のカイネティクスを解析する必要があるので、タンパク質分解酵素によるタンパク質分解を質量分析器を用いて網羅的かつ反応動力学的に捉える方法についての検討も行った。この手法を用いて次年度ではカテプシンKによるコラーゲン分解と、それに与えるGAGの影響を反応のカイネティクスの面から明らかにしていく。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

該当年度では主にサンプル調製や質量分析器による実験系の構築を行うことができた。また、新たに質量分析器2機が導入され、その管理者となったことで管理運営システムの立ち上げにも多くの時間を要したが、次年度以降のための研究基盤体制を整えることができたため、研究の進捗はおおむね順調に進展している。

Strategy for Future Research Activity

次年度以降ではまず、カテプシンKにより産生されるコラーゲンペプチドをモニターすることで、コラーゲン分解メカニズムを明らかにする。このときGAGが耐酸性コラーゲン線維を形成している場合としていない場合を比較することで、コラーゲン分解におけるGAGの役割を明らかにしていく。方法としては、質量分析器(TripleTOF6600, AB Sciex)を用いてターゲットとするペプチドのみを定量的に測定することができるMRM-HRという測定方法により、コラーゲンペプチドの測定を行う。
また、カテプシンKによる動物骨のコラーゲン分解実験を実施し、走査型電子顕微鏡により骨表面を観察する。このときGAGにより耐酸性コラーゲン線維を形成している場合としていない場合での比較を行う。
より詳細なコラーゲン分解メカニズムを解明するために、カテプシンKがコラーゲン線維を分解する過程を酵素反応の動力学的解析により明らかにする。質量分析器を用いたMRM-HRにより、産生されるコラーゲンペプチドの全てを定量的に測定することができるので、カテプシンKによるコラーゲンの切断点それぞれについてダイナミックな解析が可能である。これによりカテプシンKによるコラーゲン線維分解の全体像を把握することができる。このときのGAGの役割についても検討する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2018

All Presentation (1 results) Patent(Industrial Property Rights) (1 results)

  • [Presentation] 認知症の予防と早期発見のためのビッグデータ多層解析2018

    • Author(s)
      多田羅洋太、中村智洋山嵜博未、中山貴博、青木裕一、丹治邦和、三枝大輔、 千葉満、勝岡史城、元池育子、木下賢吾
    • Organizer
      第1回COI学会
  • [Patent(Industrial Property Rights)] 動物の軟骨からプロテオグリカンを調製する方法2018

    • Inventor(s)
      多田羅洋太,遠藤正彦,須藤晋一郎
    • Industrial Property Rights Holder
      弘前大学
    • Industrial Property Rights Type
      特許
    • Industrial Property Number
      特許第6501350号

URL: 

Published: 2019-12-27  

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