2020 Fiscal Year Annual Research Report
The spatiotemporal analysis of glycan formation of node of Ranvier
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18K06107
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
西河 淳 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (30218127)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ランビエ絞輪 / レクチン / 糖鎖 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,マウス中枢神経のランビエ絞輪に特異的に存在する糖鎖の生理的意義を解明することを目指すものである. 我々は,ボツリヌス毒素由来レクチン複合体の立体構造解析データから,意図して糖鎖結合能を変化させたリコンビナント変異レクチン複合体の一つGgがマウス脳のランビエ絞輪に特異的に結合することを見いだした.ランビエ絞輪は,跳躍伝導で重要な役割を果たしていることからその形成不全は様々な神経疾患に繋がることが知られており,またアストロサイト等の結合部位としての役割もあり,この部位の詳細な構造,成分の理解は脳機能研究において重要である. H30年度は,脳内の各部位ごとの発生,発達過程においてGg反応性糖鎖の時空間的発現量の変化を観察し,H31-令和元年度は,末梢神経の形成,発達段階においてもGg反応性糖鎖の時間的発現量の変化を測定した.結果は,末梢神経は中枢神経系とは異なる時期からGg反応性糖鎖の発現量が上昇し,ランビエ絞輪におけるGg反応陽性率が中枢神経系とはかなり異なることも観察され,今後の研究においてこれらの意味するところを検討すべき新たな課題の発見に繋がった. 一方,Ggが結合するランビエ絞輪のリガンドの同定も試みた.ランヴエ絞輪が多く存在するマウスの脳梁部分の可溶化物をSDS電気泳動し,Ggのレクチンブロットにて検出したところ,100kDa以上の領域にブロードなバンドが確認された.そこで,Ggをリガンドとして固定したカラムを用いてアフィニティー精製して常法によりMS分析したところ,あるプロテオグリカンが同定された.今後は,このプロテオグリカン糖鎖の生理的役割を検討する新たな課題解決に向けて研究を進めたい.
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