2020 Fiscal Year Annual Research Report
Regulation of CaMKKbeta/AMPK signaling and drug development
Project/Area Number |
18K06113
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
徳光 浩 岡山大学, ヘルスシステム統合科学研究科, 教授 (20237077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曲 正樹 岡山大学, ヘルスシステム統合科学研究科, 助教 (50359882)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | CaMKK / 阻害剤 / TIM-063 / タンパク質リン酸化反応 / Ca2+シグナル伝達 / タンパク質リン酸化酵素 / calmodulin / TIM-062 |
Outline of Annual Research Achievements |
Ca2+/Calmodulin(CaM)依存性プロテインキナーゼ活性化キナーゼ(CaMKK)は、CaMキナーゼⅠやCaMキナーゼⅣ、5’-AMP活性化キナーゼ(AMPK)をリン酸 化依存的に活性化し、遺伝子発現や神経発生、代謝調節に至る多様な細胞内Ca2+に応答した生理機能を調節するとともに、前立腺がん増殖などの疾患との関連も示唆されている。これまでの研究より、CaMKK阻害剤としてSTO-609を開発してきたが、本阻害剤はCaMKKβに対する阻害活性がCaMKKαに対するものに比べて10倍ほど高いCaMKKβ阻害剤である。そこで本研究では、種々のSTO-609誘導体を合成し、CaMKKαおよびCaMKKβに対する阻害活性の等しい化合物を創製することを目的として阻害化合物の探索を行った。その中で、新規に合成したSTO-609誘導体であるTIM-063はCaMKKαおよびCaMKKβに対するKi値がそれぞれ0.35および0.2 μMと類似したATP競合阻害剤であることが明らかとなった。TIM-063より置換機-OH (TIM-064)および-NO2(TIM-062)を除いた構造類自体は全くCaMKKに対する阻害活性を持たない。さらに、TIM-063は培養細胞において内因性CaMKKのリン酸化酵素活性を阻害できるが、不活性類縁体であるTIM-062は細胞内におけるCaMKK活性に対する阻害効果をもたないことは、試験管内における作用と一致している。これらの研究結果より、新たなCaMKK阻害剤TIM-063とその不活性類縁体TIM-062は、CaMKK特異的な細胞内Ca2+シグナル伝達機構解明の新たな分子ツールとして、本情報伝達機構の生理機能解明に有用であることが明らかとなった。
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[Journal Article] Development and Characterization of Novel Molecular Probes for Ca2+/Calmodulin-Dependent Protein Kinase Kinase, Derived from STO-6092020
Author(s)
Satomi Ohtsuka, Yui Ozeki, Moeno Fujiwara, Tomoyuki Miyagawa, Naoki Kanayama, Masaki Magari, Naoya Hatano, Futoshi Suizu, Teruhiko Ishikawa, and Hiroshi Tokumitsu
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Journal Title
Biochemistry
Volume: 59
Pages: 1701-1710
DOI
Peer Reviewed
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