2018 Fiscal Year Research-status Report
新たなC型糖修飾責任酵素の同定と基質タンパク質の解析
Project/Area Number |
18K06137
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
清水 史郎 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (30312268)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | C型糖修飾 / がん分子標的 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年は新たにC型糖修飾される基質タンパク質としてR-spondin2を同定し報告した。ヒト培養細胞であるHT1080細胞にR-spodin2を過剰発現させ、そこからリコンビナントのR-spondin2を粗精製し、MS解析によりR-spondin2はトリプトファン150とトリプトファン153の二か所でC型糖修飾されていることを明らかにした。このC型糖修飾の役割を解析するためにトリプトファン残基をフェニルアラニンへと置換した変異型ベクターを作製後、同様に過剰発現細胞を樹立した。その結果、これらのC型糖修飾は細胞外分泌とWntシグナル増強効果に重要であることを確認した。しかし、細胞種を変えて(具体的にはPANC1細胞、A549細胞およびMDA-MB-231細胞)解析した結果、多くの細胞において、C型糖修飾は分泌を負に制御していることが分かり、細胞によって翻訳後修飾の役割が異なっていることを証明した。一般的には翻訳後修飾は細胞によらず機能は同じであることが多いため、C型糖修飾の新たな機能として興味深い知見である。しかし、Wntシグナルの増強効果は、細胞種によらずC型糖修飾に依存していたことから、R-spondin2のC型糖修飾が、がん細胞に対するの新たな分子標的になりうる可能性を示唆した。 さらに、未発表ながら新規なC型糖修飾される基質タンパク質を複数発見できた。その中にはこれまでに報告された領域を有するタンパク質だけではなく、ユニークな構造のものも含まれるために、今後の機能解析に期待が寄せられると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
C型糖修飾される新たな基質タンパク質を複数発見することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度と同様にC型糖修飾される新たな基質タンパク質の探索を継続する。 さらに、C型糖修飾能が欠損していると報告されている細胞において、ゲノムDNAの配列を読むことで、その原因を究明する。そのことで、C型糖修飾責任酵素のさらなる知見を深める。
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[Journal Article] Unified total synthesis of madangamine alkaloids.2019
Author(s)
Suto, T., Yanagita, Y., Nagashima, Y., Takikawa, S., Kurosu, Y., Matsuo, N., Miura, K., Simizu, S., Sato, T. & Chida, N.
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Journal Title
Bulletin of the Chemical Society of Japan
Volume: 92
Pages: 545-571
Peer Reviewed
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[Journal Article] C-mannosylation of R-spondin2 activates Wnt/β-catenin signaling and migration activity in human tumor cells.2019
Author(s)
Mizuta, H., Kuga, K., Suzuki, T., Niwa, Y., Dohmae, N. & Simizu, S.
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Journal Title
International Journal of Oncology
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
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