2020 Fiscal Year Research-status Report
Creation of transmembrane-anchored peptoid enabling communication between the inside and the outside of a membrane
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18K06146
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
最上 譲二 東北大学, 工学研究科, 助教 (70713022)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 膜貫通ペプチド / ペプトイド / リン脂質二重膜 / MDシミュレーション / アルギニン / 金ナノクラスター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、膜と相互作用する膜貫通タンパク質のペプチド骨格を模倣したプローブ分子を創製し、膜との相互作用特性を評価する事である。具体的には、疎水性のαヘリックスを中心に、両末端に水溶性のカチオン性残基を有するペプチドをベースにしたペプトイドを合成し膜との相互作用を評価する。ペプトイドはアミド結合に関与するアミンに側鎖もつペプチド類縁物質であるペプトイドを合成し多角的に評価することで、膜の学理究明を推進する。 本年度は、6Kペプチドの末端に機能性分子を付与することを目指し、低細胞毒性かつ、その粒子サイズにより光学特性を制御しうる金ナノクラスターの合成を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
金ナノクラスターの合成はテトラクロロ金(III)酸を還元することで粒子を得た。テトラクロロ金(III)酸溶液にCCY配列をN末端に持つペプチドを添加する事により、タイロシンの還元能を利用すると共に、還元された金がシステイン残基に結合するという一連の反応を通してワンステップで合成できる手法を用いた。これにより、粒子のサイズコントロールおよび、その後の修飾などが簡易にできると期待される。現在のところ、数十nm程度の粒子が得られているが、蛍光励起波長が300nm程度と短い。細胞の観察に適用しうる400nm程度の励起波長が得るため、より小さい金ナノクラスターの作製が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
数nm程度の金ナノクラスターの作製および、6Kペプチドとの結合、それらを用いた細胞標識の実験を行う。また、システインを介した金との結合以外の結合様式の探索として、ファージディスプレイ法を用いた金結合ペプチド配列の決定をはじめ、その他生体材料として有望な金属粒子と特異的結合を形成するペプチドを得ることで、6Kペプチドの利用できる下地を整備できると考えている。
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