2019 Fiscal Year Research-status Report
Function analysis and modification of photoactivaated adenylyl cyclases aimed at generating a novel optogenetic tool
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18K06166
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
伊関 峰生 東邦大学, 薬学部, 教授 (60414009)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 光センサー / アデニル酸シクラーゼ / cAMP |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、光で活性化されて環状アデノシン一リン酸(cAMP)を産生する特異なタンパク質、光活性化アデニル酸シクラーゼ(PAC)の機能改変および新規類似タンパク質の機能解析を進めることにより、オプトジェネティック・ツールとしての有用性を高めることを目指すものである。最近結晶構造が解明されたシアノバクテリア由来PAC(OaPAC)に対して変異導入あるいはドメイン交換を行うことにより、活性化キネティクスや基質特異性の変化したタンパク質の創出を行う。同時にゲノムデータ上に存在するPAC類似遺伝子について、アデニル酸シクラーゼ欠損大腸菌株を利用した機能解析と精製タンパク質の分光学的、酵素学的解析を網羅的に進め、新しいツールの素材を探索する。 1. PACの機能改変 2019(令和元)年度においては、特にスピロヘータ由来PAC(TpPAC)に対する部位特異的変異導入により光活性化グアニル酸シクラーゼへの変換を試みたところ、グアノシン三リン酸(GTP)を基質として光依存的に環状グアノシン一リン酸(cGMP)を産生することを確認できたものの、その活性はあまり高くなく、まだ実用レベルには達していない。 2. PAC類似遺伝子の機能解析 2019(令和元)年度はこれまでに調べた5種類に加えて新たに4種類のPAC類似遺伝子を対象にアデニル酸シクラーゼ欠損大腸菌株の機能相補実験を行ってきた。その結果、1種類は光依存的な活性を示したものの、2種類は大腸菌ではアデニル酸シクラーゼとして全く機能せず、残り1種類はアデニル酸シクラーゼとして機能するものの、光制御が見られないことが明らかとなった。現在、その原因の検討を進めつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
例年、年度終盤の2月~3月は協力してくれる卒業研究学生の実験が最も効率よく進む時期だが、今年度は新型コロナウイルス対応の問題があり、十分な活動ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
PACの機能改変については、昨年度の結果より有望と判断されたTpPACに対して精力的に変異導入を行ったものの、期待された成果が得られなかったため、既知グアニル酸シクラーゼとのドメイン交換により十分な活性のある光活性化グアニル酸シクラーゼの創出を目指す。新規PAC類似遺伝子の機能解析はさらに候補を広げて有用なツールを探索するとともに、より詳細な生化学的特性の解明も進める。また、酸化還元酵素触媒ドメインを持つNaPACについては、部分的に大腸菌で発現させたタンパク質を用いて光応答性ならびに酵素活性の解析を進める。
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Causes of Carryover |
(理由)年度当初計画では複数のPAC類似遺伝子の生化学的な解析を行うため、エンザイムイムノアッセイキット等の高額な試薬を多用する見込みであったが、残念ながら大腸菌での発現・精製が思いのほか難航し、それらの使用を次年度に持ち越すことになったため。 (使用計画)次年度は、持ち越し分として上述の試薬類に支出するほか、有望な遺伝子については任意の細胞での発現状況を調べるための抗体作成に支出する。また、新規PAC類似遺伝子の人工合成も継続的に行う必要があり、すべて消耗品として支出する予定である。
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Research Products
(1 results)