2018 Fiscal Year Research-status Report
タンパク質によるグアニン四重鎖の巻き戻し原理の解明
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18K06181
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| Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
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Principal Investigator |
北野 健 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (40346309)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | タンパク質 / Ｘ線結晶解析 / グアニン四重鎖 / DNAヘリカーゼ / 立体構造 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は，タンパク質や DNA の立体構造に着目した研究を進めることによって，ヒトやバクテリアの細胞に備わったゲノム維持機構についての，新たな知見を得ることを目的としている。
グアニン四重鎖は，グアニン（G）に富む配列の一本鎖 DNA に自発形成される，特殊な形状の DNA 構造である。ヒトを含む哺乳類の細胞において，ゲノム DNA に生じたグアニン四重鎖の解きほぐしが滞ると，染色体の末端を保護しているテロメアの短縮など，様々なゲノム異常が引き起こされると考えられている。
本研究の初年度の研究では，グアニン四重鎖と相互作用するタンパク質について，構造解析の候補となるタンパク質領域の範囲検討を進めた。期間中に海外の研究グループから，関連性が高いと考えられる論文が発表されたため，その知見との整合性を調べる解析も行った。
一方で，ゲノム DNA に損傷を引き起こす物質に着目した，タンパク質の研究も進めた。活性酸素は，呼吸等の生命活動のなかで必然的に生じる有害物質で，細胞のゲノム DNA に広範囲の損傷を引き起こすことが知られている。活性酸素による損傷が蓄積すると，細胞に突然変異やアポトーシスが誘導されて，疾患の原因になることも分かってきている。
本研究では，生物が，活性酸素からゲノム DNA を守るために進化させた酵素反応の仕組みを明らかにするために，活性酸素分解活性を有するタンパク質の立体構造研究を進めた。バクテリアに備わった同反応機構についての知見を，共著論文として国際科学ジャーナルに発表することができた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
グアニン四重鎖と相互作用するタンパク質について，構造解析を進めるうえで必要な知見を得ることができた。
また，活性酸素を分解するタンパク質についても，酵素反応機構の一端を明らかにすることができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
引き続き，グアニン四重鎖と相互作用するタンパク質を対象とした構造研究を進める。
また同時に，活性酸素を分解するタンパク質についても，立体構造を軸とした研究を進めることで，酵素反応の仕組みを明らかにすることを目指す。
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| Causes of Carryover |
期間中に海外の研究グループから，本研究の内容と関連性が高いと考えられる論文が発表された。その影響への対策として，研究計画の見直しが必要になったため。
今後，未使用額の研究費は，物品や試薬の購入，学会で研究成果を発表するための旅費，科学雑誌で研究成果を論文発表するための出版料などに使用する予定である。
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