2018 Fiscal Year Research-status Report
筋細胞に見られる管状リソソームの形成メカニズムとその生物学的意義
Project/Area Number |
18K06202
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤田 尚信 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (00506496)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 筋細胞 / リソソーム / オートファジー / オルガネラ |
Outline of Annual Research Achievements |
通常、リソソームは球状のオルガネラであるが、特定の条件下では管状になることが知られている。しかしながら、その分子メカニズムや生物学的な機能はこれまでほとんど明らかにされていない。私たちは、ショウジョウバエの変態期に、腹部の一群の筋細胞がオートファジー依存的にリモデリングされることを先に報告している。さらに、筋細胞リモデリングの経時的な解析から、管状のリソソームネットワークが一過的に筋細胞内に張り巡らされる新たな現象を見出した。 リソソーム管状化の分子メカニズムを明らかにするため、2018年度は、独自のin vivo RNAi スクリーニング法を用いて、管状リソソームネットワークの形成に働く遺伝子を探索した。その結果、ノックダウンにより管状リソソームの形成を抑える遺伝子を複数同定することに成功した。 さらに、オートファゴソームの形成に働く一群のオートファジー関連遺伝子のノックダウンを網羅的に検討したところ、リソソームの管状化に必須なものと、リソソームの管状化には必須でない2つのグループに分けられることがわかった。つまり、オートファジー関連遺伝子であっても、管状リソソームの形成への寄与には大きな差が見られることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
筋細胞に見られる管状リソソームの形成に働く候補遺伝子を得ることができた。また、管状リソソームの形成に必須なオートファジー関連遺伝子と、必須ではないオートファジー関連遺伝子を同定することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、得られた候補遺伝子の機能解析を進め、管状リソソームの形成メカニズムを明らかにして行きたい。また、オートファジーがリソソームの管状化にどのように関わっているのかについても検討する予定である。さらに、管状リソソームを失わせた際の表現型の解析などから、その機能にも迫りたい。
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