2019 Fiscal Year Research-status Report
筋細胞に見られる管状リソソームの形成メカニズムとその生物学的意義
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18K06202
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤田 尚信 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (00506496)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | オートファジー / リソソーム / オートリソソーム / 筋細胞 / リモデリング / 管状ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
リソソームは球状のオルガネラであるが、特定の条件下では管状になることが知られている。しかしながら、そのメカニズムや生物学的な意義はこれまでほとんど明らかにされていない。私たちは、ショウジョウバエの変態期に、一群の筋細胞がオートファジー依存的にリモデリングされることを先に報告した。さらに、種々のオルガネラの経時的な形態解析より、筋細胞のリモデリングに伴い管状のリソソームネットワーク張り巡らされる新たな現象を見出した。 2019年度は、管状リソソームの形成におけるオートファジーの寄与を詳細に調べた。オートファジーの機能を喪失されると、管状ネットワークはほぼ完全に失われた。しかしながら、オートファジー関連遺伝子であっても管状ネットワークに必須ではない一群の遺伝子があることが判明した。一方、ダイナミンに依存したエンドサイトーシス経路の阻害は管状化にほとんど影響を与えなかった。従って、管状リソソームの形成には、オートファジーが中心的な役割を果たしていると考えられる。 さらに、ライブイメージング法を用いて、管状リソソームネットワークの性状を解析した。その結果、管状のリソソームネットワークの内腔は実際に連続しており、細胞内の分解コンパートメントが広い範囲で同調していることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、筋細胞に見られる管状リソソームの性状を詳細に明らかにした。また、オートファジー関連遺伝子以外にも、管状リソソームの形成に働く候補遺伝子を得て、それらの機能解析を進めている。管状構造の形成頻度と筋細胞リモデリングの表現型との間に良い相関が見られていることからもその生物学的な意義が伺われている。
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Strategy for Future Research Activity |
順調に研究が進んでいる。今後は、管状リソソームの形成メカニズムの解析をさらに進めると共に、管状ネットワーク構造を失わせた際の表現型をより詳細に解析し、その機能に迫りたい。
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