2018 Fiscal Year Research-status Report
尿細管細胞や血管内皮細胞における流れ刺激受容チャネルを介する細胞応答機構の解明
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18K06205
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坪内 朝子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任助教 (40713566)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 機械刺激受容チャネル / TRPチャネル / 灌流培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
1。機械刺激を模した細胞培養法の確立と活性化されるシグナル経路の同定。 当該年度において、近位尿細管細胞 (HK2) を用いて、物理刺激を模した培養細胞法を確立した。具体的には、本研究で購入したペリスタポンプと灌流アッセイ用のスライドチャンバーを使用し、スライドチャンバーに接着させた細胞を一晩培養したのち、流速の違いによる物理刺激を加えた。流速による物理刺激の他に、培地に過剰に加えたリン酸カルシウム結晶によって引き起こされる物理刺激実験も行った。まず最初に、細胞の形態変化について、細胞骨格や細胞膜などを免疫蛍光抗体法で観察を行った。また、これら刺激に応じて活性化するシグナル分子群について抗体を入手し、生化学実験ならびに免疫蛍光抗体染色法によって解析を行った。そのなかで、いくつかの候補シグナル経路の同定に至った。 2。機械刺激受容チャネルタンパク質の同定。 当該年度において、近位尿細管細胞 (HK2)で発現がみられる機械刺激受容チャネル遺伝子、さらには過剰に加えたリン酸カルシウム結晶によって引き起こされる物理刺激によって増減する遺伝子群TRPチャネルファミリー(TRPCやTRPM、TRPVに属する分子群)と、ナトリウムチャネル分子群について、DNAマイクロアレイ法により同定した。 3。その他。 免疫蛍光抗体染色法によって得られた画像データを解析する方法を模索した。具体的には、1つ1つの細胞の形態を、細胞の形(丸さや長さ)を計測する方法や、1つ1つの細胞と細胞を分離する方法、核と細胞質の蛍光強度を測定する方法などを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
近位尿細管細胞 (HK2)を用いた実験は進んでいるが、当初予定していたヒト臍帯静脈内皮細胞 (HUVEC)を用いた実験がほとんど遂行できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
DNAマイクロアレイ法により発現の有無や増減が確認できた機械刺激チャネル(TRPCやTRPM、TRPVに属する分子群)について今後解析予定である。具体的には、それぞれの機械刺激受容チャネル分子特異的な阻害剤を添加することによって、すでに活性化することを見出したシグナル分子群が変化するかどうか、免疫蛍光抗体染色法によって確認する。ヒト臍帯静脈内皮細胞 (HUVEC)を用いた実験を進める。
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Causes of Carryover |
ヒト臍帯静脈内皮細胞 (HUVEC)を用いた実験がほとんど遂行できていなかったため。
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