2019 Fiscal Year Research-status Report
個体レベルでの神経シナプス時空間動態解析のための基盤技術開発
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18K06209
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
齊藤 健太 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (60374659)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | バイオイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は予想以上に計画がうまくいき、線虫でのプローブの発現ができていた。2年度目の本年では、いくつかのプロモータの組み合わせを試して、神経-筋肉細胞間の相互作用(ニューロマスキュラー)に起因するシナプスや、神経-神経細胞間のシナプス部位でシグナルを確認することができた。既存していた培養細胞用のプローブと、それを線虫由来タンパク質に置き換えたものの両方でシグナルが確認されている。 線虫でシナプスをタイムラプスするに辺り、静止するためのデバイスが必要になることがわかった。調査した結果、一つの方法として光遺伝学により撮像中に線虫の動きを完全に静止することができることがわかった。近年に報告されているものがあったので必要な光遺伝学的ツールを入手し、それが線虫で働くことも確認できた。これをタイムラプスイメージングに応用する予定でいる。 また、発生初期ではプローブの発現量が低く、十分な明るさが得られないこともわかった。そこで、L1幼生からL2幼生への成長過程で確認するはずだった、シナプスの組み換え観察に並行して、より遅い時期(L3幼生からアダルト)にかけてシナプスが変化するものを探し、この観察を試みることにしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究業績の概要に記載したとおり、既存していた培養細胞用のプローブと、それを線虫由来タンパク質に置き換えたものの両方で、線虫の神経-筋肉細胞間および神経-神経細胞間でのシナプス部位でシグナルが確認できた。また、ラット由来・線虫由来のタンパク質のどちらでもプローブが働くことがわかり、最適化が必要なかったのが研究が進展した原因である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究業績の概要に記載したとおり、タイムラプスに関しては、不確定な部分があるが、一個体を通してイメージングするのが難しいとしても、線虫は個体差が少なく複数の個体を揃えるのも容易なので、複数の個体の平均値を計測するのもできる。
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Causes of Carryover |
研究業績の概要に記載したとおり、試行錯誤を要すると考えられていた行程が順調に進んだため、経費が節約できた。
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