• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2019 Fiscal Year Research-status Report

小胞体における構造異常タンパク質の分解への基質運搬機構の解明

Research Project

Project/Area Number 18K06216
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

蜷川 暁  京都大学, 理学研究科, 特定助教 (80647991)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywords糖鎖 / レクチン / OS-9 / XTP3B / オルガネラゾーン
Outline of Annual Research Achievements

小胞体内において、構造異常タンパク質は小胞体関連分解によって処理される。小胞体関連分解は、大きく3つのステップに分かれており、1、分解基質の逆行輸送チャネルへの運搬 2、逆行輸送 3、細胞質プロテアソームによる分解 である。特に1に関して、どのように基質が分解へ選別され、逆行輸送チャネルへ運搬されて行くのか?は最重要問題の1つとして挙げられている。また当研究室の結果より、小胞体は均質な空間ではなく、構造形成ゾーン、逆行輸送ゾーン(分解ゾーン)といった機能的な区画に分かれていることが示唆されている。本研究では、糖鎖刈り込みの進んだ糖鎖を認識し、分解に導くとも考えられている2つのホモロジーレクチン分子OS-9、XTP3Bが、分解基質をどのように分解するのかということや、構造形成ゾーンから逆行輸送ゾーンに運搬し、分解へ導く運命決定因子かどうか明らかにすることを目的とした。
まずOS-9/XTP3B Double KO (DKO)細胞を作製すると、刈り込みの進んだ糖鎖が分解されず、低分子量にバンドが検出された。これは、OS-9とXTP3Bの両者の機能が重複し、刈り込みの進んだ糖鎖を持つ基質の分解を促進することを明確に示す結果である。これをサポートする結果として、OS-9 Single KO、XTP3B single KO、OS-9/XTP3B DKO細胞全体の糖鎖を糖鎖分析にかけると糖鎖のトリミングの進んだ糖鎖が分解されず蓄積していることが分かった。さらに細胞全体のプロテオミクス解析を行うための準備を行なっている。これにより、どのような基質がOS-9、XTP3Bそれぞれに、そしてその両者に分解されているかわかる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

OS-9とXTP3Bが刈り込みの進んだ糖鎖を持つ基質の分解を促進することを支持する結果として、WT、OS-9 Single KO、XTP3B single KO、OS-9/XTP3B DKO細胞全体の糖鎖を糖鎖分析にかけると、OS-9/XTP3B DKO細胞において特に糖鎖トリミングの進んだ糖鎖を持つタンパク質が増加していることが分かった。OS-9、XTP3Bがないために糖鎖トリミングの進んだ糖鎖を持つタンパク質が分解されず残って来ていることが分かる。また細胞全体のプロテオミクス解析やさらにはオルガネラ精製画分をプロテオミクス解析することにより、どのような分解基質があるのか調べようとしている。そのため、精製画分に対してプロテオミクス解析を行うための条件検討を行なっている。

Strategy for Future Research Activity

細胞全体のプロテオミクス解析やさらにはオルガネラ精製画分をプロテオミクス解析にて解析し、OS-9、XTP3Bのそれぞれの分解基質や、OS-9/XTP3Bの重複した分解基質を調べる。このことで、OS-9、XTP3Bの固有の分解基質がわかり、重複した分解活性をもっていると考えられている両者の類似点と相違点を明らかにする。これにより、OS-9、XTP3Bそれぞれのゾーンでの働きなども将来的に分かる可能性がある。

  • Research Products

    (2 results)

All 2019

All Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] 高等動物における N 型糖鎖トリミングを基軸とした小胞体関連分解機構 の解析2019

    • Author(s)
      蜷川 暁 、Ginto George、矢木 宏和、住友 嘉樹、神谷 由紀子、石川 時郎、武田 俊一、佐久間 哲史、山本 卓、加藤 晃一、岡田 徹也、森 和俊
    • Organizer
      第38回 日本糖質学会年会
  • [Presentation] 小胞体タンパク質品質管理機構の中心を担うN型糖鎖依存/非依存小胞体関連分解経路の分子メカニズムの解析2019

    • Author(s)
      蜷川 暁、Ginto George、矢木 宏和、今見 考志、石濱 泰、石川 時郎、佐久間 哲史、山本 卓、武田 俊一、加藤 晃一、岡田 徹也、森 和俊
    • Organizer
      第42回 日本分子生物学会年会
    • Invited

URL: 

Published: 2021-01-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi