2019 Fiscal Year Research-status Report
カエル初期胚上皮細胞を用いた収縮環と細胞間接着のアクチン細胞骨格制御機構の解明
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18K06223
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
東 智仁 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (70515072)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | フォルミン / 上皮細胞 / アフリカツメガエル / アクチン細胞骨格 / 細胞間接着 / タイトジャンクション / アドレヘンスジャンクション / Rho |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、アフリカツメガエル の飼育装置を設計・設置し、アフリカツメガエルを購入してライブイメージングを開始する環境を整えた。 また、アフリカツメガエルで細胞間接着および収縮環に局在するフォルミンとして同定したDia1, Dia2, Dia3, Fhod1, Fhod3について、培養MDCK上皮細胞で検討を進め、Fhod3以外の4分子が発現していることを明らかにした。そこで、これら4因子についてCRISPR/Cas9法を用いてノックアウト細胞株を樹立した。さらに、Dia1の細胞間接着局在責任領域を恒常的に発現する細胞を作成し、結合因子を共免疫沈降法によって単離した。質量分析によって同定したところ、Dia2であることが分かった。Dia2もDia1と同じくタイトジャンクションに局在するため、両者が協調してタイトジャンクションへの局在を規定している可能性について検討を進めている。 また、細胞間接着装置の一つである密着結合においてアクチン細胞骨格制御因子が果たす役割を解明するために申請者が開発したバリア機能アッセイ系ZnUMBA(Stephenson RE et al., Dev Cell, 2019)は、これまでカエル、魚、マウスなどの胚でしか成功例がなかったが、培養法を工夫した上で試薬濃度などの条件の検討を行い、培養上皮細胞でも安定してバリア機能の破綻を鋭敏に検出できるようになった(論文投稿準備中)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アフリカツメガエルは、初回の産卵時は卵の品質が悪いため、カエルの購入後半年ほど、イメージングに用いられる高品質の胚を得ることができず苦労している。しかし、2回目以降の産卵で品質が改善が見られるため、今後問題なくイメージングを行えると考えている。 また、培養上皮細胞を用いた実験でDia1の結合タンパク質を同定できた。さらに、カエルでは実現するのが難しいノックアウト細胞を樹立できたため、カエル胚を用いたイメージング結果を機能面で検証する際に補完的に用いることができると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、アフリカツメガエル初期胚を用いて、フォルミンファミリーのDia1、Dia2の局在機構を検討する予定である。現時点ではうまくいっていないが、CRISPR/Cas9法による両因子のノックアウトを目指す予定である。 また、培養上皮細胞のノックアウト細胞株を用いて、細胞間接着や細胞質分裂に異常が生じるかどうかを検討する。
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Causes of Carryover |
購入直後のアフリカツメガエルは胚の質がよくないため、ライブイメージング用のプローブ作成に用いる試薬の使用量が想定より少なかったため。
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Research Products
(1 results)