• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2018 Fiscal Year Research-status Report

Modular organization of tight junctions and its roles in epithelial plasticity

Research Project

Project/Area Number 18K06234
Research InstitutionNational Institute for Physiological Sciences

Principal Investigator

大谷 哲久  生理学研究所, 生体機能調節研究領域, 助教 (50415105)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywords密着結合 / 上皮バリア / 上皮極性 / Claudin / JAM
Outline of Annual Research Achievements

本研究においては、密着結合の構造と機能における機能分化について、分子レベルで解明することにより、その機能分化の生理的意義を明らかにすることを目指す。
これまでに、密着結合の構造と機能におけるClaudinファミリー分子群の役割を明らかにするために、Claudin欠失細胞の表現型解析を行ってきた。その結果、Claudin欠失細胞においては①密着結合のストランド構造は欠損するものの、細胞膜同士は近接していること、②電解質や低分子に対するバリア機能は破綻するものの高分子に対するバリア機能は残存すること、③上皮極性は正常であること、を見出した。密着結合の構造と機能に必須であるZO-1/2を欠損すると細胞膜の近接や高分子に対するバリア機能は消失し、上皮極性が破綻することから、Claudin以外の膜分子がこれらのClaudin-independentな密着結合の構造と機能の制御に重要な役割を果たすと考えられた。そこで、まずClaudin欠失細胞の表現型解析を進めたところ、Claudin欠失細胞においては密着結合の膜タンパク質のうち、Occludinの局在は減弱したのに対し、JAM-Aの細胞間接着部位への集積が顕著に亢進した。そこで、JAM-Aの機能を明らかにするために、JAM-A KO細胞およびClaudin/JAM-A KO細胞を作成した。その結果、JAM-A KO細胞においては顕著な異常は認められなかったが、Claudin/JAM-A KO細胞においては細胞膜の近接が阻害され、高分子に対するバリア機能が著しく低下し、上皮極性が部分的に破綻した。これらの結果から、ClaudinとJAMファミリー分子群は協調的に密着結合の構造と機能を制御することが明らかとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成30年度の主要な課題であった密着結合における機能モジュールの分子的実体の解明については、JAM-AがClaudin-independentな密着結合の構造と機能において主要な役割を担っていることを明らかにすることができた。これまで、JAMファミリー分子群が密着結合の構造と機能においてどのような役割を担っているかについてははっきりとしなかったことから、この結果は密着結合研究において重要な進展だと考えられる。また、これらの結果は、Claudinと密着結合のストランド構造が存在しない状況であっても高分子に対するバリアが形成できることを示唆しており、今後このようなClaudin-independentなバリアが生体内に存在するのか否かを検討してみたい。また、Claudin/JAM-A KO細胞においては上皮極性が部分的に破綻したが、極性シグナル伝達経路の構成因子であるPar-3やaPKCの局在には大きな異常は認められていない。これらの結果は、ClaudinおよびJAM-Aは細胞膜上にフェンスを形成することにより膜タンパク質や脂質の側方拡散を抑制しているとの可能性を支持している。今後、ClaudinおよびJAM-Aがどのようにフェンス機能を制御するのかについてその分子機構を明らかにしたい。一方で、Claudin/JAM-A KO細胞においては部分的に細胞膜同士の近接が残存し、バリア異常や上皮極性の異常はZO-1/2 double KO細胞に比べるとやや弱いことから、JAM-A以外の膜分子(JAM-B/CやCAR、Occludinなど)がまだ寄与している可能性が考えられる。今後、RNAseqを用いてMDCK II細胞に発現する密着結合関連分子群を網羅的に同定し、密着結合の機能モジュールの分子的実体の全貌を解明したい。

Strategy for Future Research Activity

密着結合の成り立ちを理解し、密着結合のモジュール構造の人為的制御系を開発するために、密着結合の裏打ちタンパク質であるZO-1の構造機能解析を進める。また、Claudin/JAM-A KO細胞において密着結合の構造と機能に寄与している分子群を明らかにするため、RNAseqを用いた網羅的発現解析を行い、発現する密着結合膜タンパク質を同定し、ゲノム編集を用いたKO実験を進める。さらに、平成30年度に明らかにしたClaudin-independentな高分子に対するバリア機能およびClaudin/JAM-A依存的なフェンス機能に注目し、その成り立ちと生理的意義を明らかにすることを目指す。具体的には、JAM-Aが形成する接着構造の形態学的・生理学的特徴を明らかにするため、JAM-A発現線維芽細胞、Claudin欠失細胞、Claudin/JAM-A KO細胞の形態学的・生理学的解析を進める。また、生体内でClaudin-independentな高分子バリアを形成する組織に注目し、その組織におけるJAMファミリー分子群の発現解析を行う。また、それらの組織においてJAMファミリー分子群の機能阻害実験を行うための技術的基盤を確立することを目指す。さらに、Claudin/JAM-A KO細胞へのJAM-A変異分子の再構成実験、Claudin欠失細胞における上皮極性形成機構を解析することにより、JAM-Aがどのようにフェンス機能と上皮極性形成に関与するのか、その分子機構を解明することを目指す。

Causes of Carryover

密着結合膜タンパク質群の体系的機能破壊を予定していたが、Claudin/JAM-A KO細胞で非常に興味深い表現型が得られたので、この細胞の解析に注力し、他の膜タンパク質群の解析に着手しなかったため、関連費用が執行されていない。また、培養顕微鏡の購入を予定していたが、他の予算により購入することが出来たため、執行していない。今年度の研究成果を受けて、次年度以降にJAMファミリーの機能解析に関する費用が当初の想定を上回る規模で生じることが予想されるため、未執行額をこれらの研究課題の遂行に使用することを計画している。

  • Research Products

    (4 results)

All 2019 2018

All Presentation (4 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results)

  • [Presentation] ZO family proteins regulate epithelial polarity independent of tight junction strand assembly.2019

    • Author(s)
      Tetsuhisa Otani, Shinsaku Tokuda, Mikio Furuse
    • Organizer
      9th FAOPS Congress
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] ZO family proteins regulate epithelial polarity independent of tight junction strand assembly.2018

    • Author(s)
      大谷哲久、徳田深作、古瀬幹夫
    • Organizer
      第70回日本細胞生物学会・第51回日本発生生物学会合同大会
  • [Presentation] 上皮バリアと上皮極性形成における密着結合の役割2018

    • Author(s)
      大谷哲久、徳田深作、古瀬幹夫
    • Organizer
      第8回 生理研・名大医合同シンポジウム
  • [Presentation] ZO family proteins regulate epithelial polarity independent of tight junction strand assembly.2018

    • Author(s)
      Tetsuhisa Otani, Shinsaku Tokuda, Mikio Furuse
    • Organizer
      ASCB/EMBO 2018 meeting
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2019-12-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi