2020 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of ROS signaling in amphibian organ regeneration
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18K06257
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
鈴木 賢一 基礎生物学研究所, 新規モデル生物開発センター, 特任准教授 (90363043)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | イベリアトゲイモリ / 器官再生 / ゲノム編集 |
Outline of Annual Research Achievements |
生物の器官再生において、活性酸素(ROS)が重要な役割を担っていることが注目されている。しかしながら、その作用機序は未だ不明である。本研究の最終目的は、器官再生におけるROSシグナルの重要性と一連の分子機構を解明することである。高い器官再生能力を持ち、超高効率のゲノム編集が可能であるイベリアトゲイモリをモデルとして研究を行なった。本研究から得られる成果は発生・再生生物学におけるROSの新たな生物学的意義の発見につながり、現在注目度の高い再生医学分野において器官再生に関する重要な知見をもたらすことも期待できる。本年度は四肢再生芽におけるROSの関与を明らかにすべく、引き続きトランスクリプトミクス解析、さらには先進ゲノム支援の協力の下に完全長転写産物の大規模解析も行なった。その結果、四肢再生時に発現が誘導されるROSシグナリング関連およびその下流にあると考えられる遺伝子群を複数同定することができた。これらROSシグナリング下流にある候補遺伝子群の一部に対してはノックアウト変異体のライン化を行い、器官再生における機能も評価した。また、ROSシグナリングを細胞レベルで時空間的に誘導可能なトランスジェニック体の作出も行なった。研究期間を通して1)イベリアトゲイモリのゲノム編集技術の開発を行い、超高効率ノックアウトを基盤にした迅速な遺伝子機能解析システムを論文発表。2)複数の大学・研究機関と共同で大規模なRNA-seq解析によるイベリアトゲイモリトランスクリプトームデータセットを論文発表。3)CRISPR-Cas9ノックアウトによる遺伝子機能のin vivo解析の際に必要である、NGSを用いたジェノタイピング解析法を論文発表。以上のように、器官再生におけるROSシグナル解明のための研究を進めるためのプラットフォームを確立することができたのは大きな成果である。
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