Evaluation for the ability of joint regeneration in mice

2022 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 18K06270
• Research Institution: Aichi Gakuin University
• Principal Investigator: 遠藤 哲也 愛知学院大学, 教養部, 准教授 (90399816)
• Project Period (FY): 2018-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: 関節再生 / 四肢再生 / 関節軟骨 / 器官再生

Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、マウスが関節再生能力を内在的に持つか否かを、実験的に明らかにすることにある。これまでに我々は生後1日目のマウス新生児において第2指骨(中節骨[P2])の基部側半分を切り取り、基部先端部を180度回転させて元の場所に戻す実験(Invert実験)を行うことで、骨の断面と関節軟骨が接する境界面に、関節様の構造が形成されることを見出した。これを受けて、次に生後1週間の個体を用いて同様の実験を行い、関節様構造の形成にage依存性が見られるかどうかを調べた。
生後1週間の間に指において見られる形態的変化として、第2，3，4指の分離がある。出生直後のマウス新生児ではこれらの指の分離が完了していない(指間部で結合している)が、3-4日目に一つひとつの指へと分離する。このため指が分離した後の生後1週間個体では手術した指の固定が難しくなり、結果として移植片が移植部位からずれたり向きが変わったりする頻度が増え、移植片とホスト組織の相互作用を確認できる部位が限られることとなった。従って現時点で十分な例数が得られていない状態ではあるが、それでも骨断面と関節軟骨が隣接した部位の骨断面側には異所的な軟骨が形成されていることが観察された。この異所的軟骨ではType II collagenやProteoglycan 4などの関節軟骨マーカー分子が分布していることも確認され、生後1日目個体でInvert実験を行った際と同様に生後1週間個体でも異所的関節軟骨を誘導できたものと考えられた。
次にさらに実験を行う時期を遅らせた場合はどうなるかを調べるため、生後2週以降の個体でInvert実験を試みた。しかしこの時期になると靱帯が大幅に発達し、新生児で用いている手法では移植片を正確に切り出すことが困難であり、現時点で手術の成功に至っていない。現在、手術方法の改良を試みている。