2021 Fiscal Year Research-status Report
Study on mechanisms to maintain the function of photosystem I under strong light
Project/Area Number |
18K06275
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
高橋 拓子 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (50748126)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 佳孝 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (30281588)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 光合成 / 光化学系 / 電子伝達 / チラコイド膜タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
光合成に光は必須であるが、強光はストレスとして細胞内での活性酸素種の発生を引き起こす。光合成を最適に行うためには、二つの光化学系((PSI, PSII)は協調的に機能することが必要であるが、PSIIは強光ストレスに弱く容易に失活する一方、PSIは強光下でも活性を維持することが知られている。PSIの強光下での活性維持 に重要な働きを担うのがサイクリック電子伝達であり、サイクリック電子伝達を駆動する因子の一つに チラコイドタンパク質PGRL1がある。しかし、PGRL1がサイクリック電子伝達およびそれを通じたPSIの光防御に果たす分子メカニズムは不明な点が多い。私は、 PGRL1がPSI光防御に果たす機能を明らかにするために、PGRL1タンパク質に種間で保存される6つのシステイン残基に着目し、システイン残基の置換変異体を作製し、解析を行っている。6つあるシステイン残基のうち、N末端側に位置する2つのシステインをセリン残基へ置換したところ、PSIの光感受性には影響しなかった が、レドックス依存的な複合体の形成が見られなかった。一方、C末端に位置するシステインをセリン残基へ置換したところ、PSIの光感受性が欠損株レベル並に高まった。またこれらの置換株では、PGRL1の蓄積量が減少したことから、 PGRL1が不安定化する可能性が示唆された。これらの結果について、第11回日本光合成学会シンポジウムおよび、フィンランドー日本二国間セミナーで発表を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画に基づき、PGRL1へアミノ酸置換変異を導入し解析を行った。結果の正確性を担保するため、複数クローンを得て解析を行っている。2021年11月に出産し、2022年5月まで育休を取得したため、研究進捗に若干の遅れが生じた。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在すでに得られた結果について論文にまとめており、ほぼ投稿準備が整っている状況である。追加の解析結果を追加次第、投稿する。
|
Causes of Carryover |
2021年度は妊娠・出産により研究を中断したため。次年度使用額相当分は、研究の遂行上必要な消耗品の購入、英文校閲等の費用に充てる。
|
Research Products
(2 results)