2021 Fiscal Year Annual Research Report
Role of protein synthesis in the acclimation of photosynthesis to strong light
Project/Area Number |
18K06276
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
西山 佳孝 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (30281588)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 光合成 / 環境応答 / ストレス / タンパク質 / 遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間全体を通して、シアノバクテリアSynechocystis sp. PCC 6803では、強光環境に順化すると光化学系II(PSII)の修復能力が増大することや、タンパク質合成系の構成因子である翻訳因子EF-Tuの発現上昇がPSII修復能力の増大メカニズムの一因であることを明らかにした。また、最終年度には、植物でも同じような現象が見られるかどうかを明らかにするため、シロイヌナズナを研究材料に用いて強光順化におけるPSII修復能力、および葉緑体に局在する翻訳因子cpEF-Tuの発現量の変化を調べた。 野生型植物を生育光60 μmol photons m-2 s-1で4週間生育させると、若い葉ほど光阻害が緩和し、cpEF-Tuの発現量が多かった。また、植物を生育光で3週間生育させたのち、強光200または350 μmol photons m-2 s-1で1週間生育させると、若い葉のPSII光阻害がより顕著に緩和した。これらの植物で光損傷に差が見られなかったことから、若い葉ほど光に順化してPSIIの修復能力を増大させる能力が高いことが示唆された。 植物を生育光で5週間生育させたところ、第4~7葉は4週目の同葉序よりもPSII光阻害がかかりやすくなっていたが、第8~11葉の若い葉では4週目の第4~7葉と同程度にPSII光阻害が緩和されていた。さらに、PSIIの強光耐性とcpEF-Tuの発現量には高い相関が見られた。以上の結果から、シロイヌナズナでは若い葉でcpEF-Tuを高発現させることによって、PSIIの修復能力を上げ、強光耐性を増大させていることが考えられる。
|
Research Products
(15 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Book] 光合成2021
Author(s)
日本光合成学会
Total Pages
224
Publisher
朝倉書店
ISBN
978-4-254-17176-1