2018 Fiscal Year Research-status Report
Biological roles of VNI2 forming complexes with various NAC domain transcription factors
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18K06277
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
山口 雅利 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (20373376)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | NACドメイン転写因子 / タンパク質複合体 / 転写抑制 |
Outline of Annual Research Achievements |
NACドメイン転写因子VNI2は、同じくNACドメイン転写因子であるVND7との相互作用因子として単離された。VNI2はVND7と複合体を形成することで、道管形成を負に制御する。さらに、これまでに研究応募者は、VNI2は30ものNACドメイン転写因子と複合体を形成することを明らかにしている。本研究では、異なったNACドメイン転写因子と複合体を形成することで、様々な生理現象を制御するその意義について明らかにする。また、VNI2-NACドメイン転写因子の作用機構についても解析する。 これまでに、ATAF2は老化の制御の鍵因子であるORE1の発現を正に制御すること、またVNI2はATAF2と相互作用し、ATAF2のORE1に対する転写活性能を抑制することを明らかにしている。ORE1は、VNI2と相互作用する因子としても単離されている。そこで、今年度は、VNI2とORE1との作用機構について検証を行った。その結果、VNI2はORE1の転写活性を抑制することが明らかとなった。また、遺伝学的な関係を明らかにするため、vni2変異体とore1変異体を掛け合わせた二重変異体を作出した。今後表現型について解析していく予定である。 VNI2がVND7の転写活性能を抑制する作用機構を明らかにするため、VNI2のコーディング領域を断片化したコンストラクトを作出し、一過的発現解析を行った。その結果、VNI2の抑制活性に必要な10アミノ酸の領域が明らかとなった。このVNI2の領域は転写抑制に関わることが知られているERFモチーフとは重なっておらず、これまでに知られていない機構が関与する可能性も考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の研究計画のとおり、VNI2とORE1の作用機構について、成果が得られつつある。また、遺伝学的な解析に必要な二重変異体についても完成しており、来年度に向けての準備も進んでいる。 VNI2の作用機構に関する成果も、得られてきている。今後の解析を通じて新しい転写抑制機構が明らかになると期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には、今年度の成果を踏まえて進めていく。VNI2と相互作用するVND7やATAF2、ORE1以外の転写因子についても、解析対象として広げていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
現在投稿準備中のATAF2の機能解析、およびVNI2-ATAF2の作用機構に関する原稿の投稿料などの経費を繰り越す必要があるため。また、今年度計上していたvni2 ore1二重変異体の発現解析等に必要な試薬類についても来年度に繰り越す必要が生じたため。来年度速やかに執行できるように取り組む予定である。
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Research Products
(9 results)