2018 Fiscal Year Research-status Report
転写・翻訳後修飾による植物生殖細胞の分化調節メカニズムの検証
Project/Area Number |
18K06285
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山岡 尚平 京都大学, 生命科学研究科, 准教授 (00378770)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 生殖細胞分化 / 配偶子形成 / 転写因子 / 陸上植物 / ゼニゴケ |
Outline of Annual Research Achievements |
陸上植物の生殖細胞分化の制御には進化的に保存された転写因子BONOBO (BNB)が関わる。シロイヌナズナBNBは花粉形成過程で機能発現するのに対し、ゼニゴケBNB (MpBNB)は進化的に保存された光シグナル伝達系により転写制御されることから、BNBの転写調節メカニズムは陸上植物進化の中で再構成されたと考えられる。またいずれの植物でもBNBは生殖細胞分化の初期に一過的に蓄積することから、この蓄積パターンがBNBの機能に重要であることが示唆された。 そこで本研究では、BNBの転写・翻訳後調節に関わる因子を同定し、BNBの機能発現に重要なメカニズムを検証するとともに、ゼニゴケとシロイヌナズナを比較することで、生殖細胞分化のメカニズムの進化的保存性と多様性を明らかにする。 本年度は、ゼニゴケにおいてbnbノックアウト変異株の相補検定によりMpBNBの機能に十分なゲノム領域を調べ、プロモーター解析に用いる領域を検討し、コンストラクト作成を開始した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
bnbノックアウト変異の相補検定において、MpBNB発現の光環境応答性はほぼ予想通り相補されたが、予期していなかった発生異常の表現型が見られた。前者の結果から対応するプロモーター領域には光応答に必要な領域が含まれると考え、解析に用いることにした。後者の結果の原因について調べるため、現在ゲノム編集により従来の変異株とは別の欠失をもつ新たなノックアウト株の作成を行っており、それが得られ次第、再度相補検定を行う。
|
Strategy for Future Research Activity |
MpBNBプロモーター解析の結果を基に、ゼニゴケの成長相転換に関わる既知の転写因子の結合について、Y1H、ChIPなどにより調べる。シロイヌナズナBNBプロモーター解析を行い、転写因子ライブラリーのY1Hスクリーニングを行い、結合する転写因子を同定する。
|
Causes of Carryover |
予期しなかった結果のため新たな実験を行い、また研究遂行を優先し学会での成果報告を見送ったため。次年度は相当分を、ゼニゴケ・シロイヌナズナでの各種レポーター作成、転写因子結合アッセイとスクリーニング、学会での成果報告に使用する。
|
Research Products
(13 results)
-
-
[Journal Article] Loss of CG Methylation in Marchantia polymorpha Causes Disorganization of Cell Division and Reveals Unique DNA Methylation Regulatory Mechanisms of Non-CG Methylation.2018
Author(s)
Ikeda Y, Nishihama R, Yamaoka S, Arteaga-Vazquez MA, Aguilar-Cruz A, Grimanelli D, Pogorelcnik R, Martienssen RA, Yamato KT, Kohchi T, Hirayama T, Mathieu O.
-
Journal Title
Plant Cell Physiol.
Volume: 12
Pages: 2421-2431
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] 陸上植物の生殖細胞分化に必要な転写因子BONOBOの同定と標的遺伝子の探索2018
Author(s)
山岡尚平, 西浜竜一, 吉竹良洋, 石田咲子, 井上佳祐, 齋藤美咲, 岡橋啓太郎, 包昊南, 西田浩之, 山口勝司, 重信秀治, 石崎公庸, 大和勝幸, 河内孝之
Organizer
日本植物学会第82回大会
-
[Presentation] ゼニゴケにおけるDNAメチル化制御2018
Author(s)
池田陽子, 西浜竜一, 山岡尚平, ARTEAGA‐VAZQUEZ Mario. A, GRIMANELLI Daniel, MARTIENSSEN Robert A., POGORELCNIK Romain, MATHIEU Olivier, 大和勝幸, 河内孝之, 平山隆志
Organizer
日本植物学会第82回大会
-
-
-