2019 Fiscal Year Research-status Report
スンクスを用いた摂食調節ー消化管運動機能軸の比較内分泌学的解析
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18K06309
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
坂田 一郎 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (80610831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 貴文 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (40235114)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | スンクス / モチリン / グレリン / 摂食調節 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、脳腸相関制御機構による摂食行動調節機構を新規小型モデル動物である食虫目スンクスを用いて明らかにし、哺乳類の摂食制御機構の普遍性もしくは種特異性を見出すことを目的としている。本年度は、スンクスにグレリンアンタゴニストの[D-Lys3]-GHRP6(DLS)を充填した浸透圧ポンプを皮下に埋め込み14日間の皮下投与を行い、24時間の摂食量と体重の変化を測定した。DLSを長期投与すると暗期及び24時間の摂食量は減少したが、DLSの長期投与はスンクスの体重に影響を与えなかった。スンクスにおけるオープンフィールドテストの実験系を確立するために、初めにオープンフィールドテストの適当な測定時間を検討した結果、スンクスは30分の測定により時間に伴う自発運動量の減少が見られた。また、時間に伴う自発運動量の減少は雌スンクスに比べ雄スンクスでより顕著であった。スンクスにグレリンを皮下投与すると自発運動量及び装置中央部への探索行動が増加し、DLSを皮下投与すると自発運動量及び装置中央部への探索行動が減少する傾向が見られた。現在、グレリンの不安様行動に与える影響を検討するために、スンクスを用いた高架式十字迷路の有用性を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
GONDA法を用いた遺伝子改変スンクスの作製は、実験に十分な数のスンクスを得ることができなかったため進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、グレリンやモチリンなどの消化管ホルモンの不安様行動に与える影響を検討するために、スンクスを用いた高架式十字迷路の実験系を確立し、各ホルモンの効果を明らかにする。また、空腹期と食後期の各段階で血液を採取し、ELISA 法により各ホルモン濃度を測定する。また、ホルモン投与後にc-fos 免疫組織化 学を行い、脳内作用点(視床下部、中脳腹側被蓋野、脳幹)と標的ニューロン(NPY,POMC,orexin, CRH, ドーパミン神経など)を明らかにする。さらに、迷走神経遮断及び脳内摂食関連神経核破壊を行い、ホルモンと神経ネットワークの関係を検討する。
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Causes of Carryover |
実験の進捗に合わせて次年度に使用することとしたため。
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Research Products
(13 results)