2018 Fiscal Year Research-status Report
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18K06311
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
玉置 大介 富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 特命助教 (20793053)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 紡錘体 / 微小管 / 双極性 / 植物細胞 / 細胞分裂 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物細胞には中心体は存在しないが,紡錘体を形成する微小管が極方向に平行に配向することで紡錘体の双極性は維持され,正常に染色体は分配される.しかし,植物細胞における紡錘体の双極性維持機構については明らかになっていない.申請者は個々の紡錘体微小管動態を直接観察できる極小紡錘体様構造体(Minispindle)を細胞内で作成することに成功した.これを用いて, 紡錘体内での新規微小管の形成と個々の微小管の相互作用(束化)を直接観察し,紡錘体の双極性維持機構について明らかにする. 当初の予定通り平成30年度は動的微小管の相互な束化を可視化するために,微小管と染色体に加えて,微小管プラス端結合タンパク質EB1を同時に可視化した3重可視化株を作成を試みた. 赤色蛍光タンパク質mScarletとチューブリン8(TUB8)の配列を連結したmScarlet-TUB8とヒストンH2B (H2B),赤色蛍光タンパク質mCherryの配列を連結したH2B-mCherryを同一ベクターに組み込みタバコ培養細胞BY-2株へ形質転換した後, 微小管プラス端結合タンパク質EB1と緑色蛍光タンパク質mClover3の配列を連結したEB1-mClover3を組み込んだベクターを形質転換することで, 微小管と染色体を赤色蛍光タンパク質で, EB1を緑色蛍光タンパク質で可視化した形質転換タバコ培養細胞を作出することに成功した. また化学固定した細胞において,微小管と染色体を蛍光免疫染色法とDAPI染色により可視化し, Minispindle内の微小管配向角度の定量解析を試みたが, 技術的に観察数を増やすことが難しく, 定量解析は困難であると判断した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前述したように, 当初の予定通り本年度中に微小管と染色体に加えて,微小管プラス端結合タンパク質EB1を同時に可視化した3重可視化株の作成に成功した. 一方で, 次年度に予定していた, 化学固定した細胞での蛍光免疫染色法によるMinispindle内の微小管配向角度の定量解析は遂行が難しいことを確認した. しかし, 蛍光免疫染色法による定量解析は, ライブイメージングよるMinispindle内の微小管配向角度の定量解析により補完することができるので, 次年度はライブイメージングによる解析を進めていきたい.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は本年度作成した3重可視化株を用いて, ライブイメージングよりMinispindle内の微小管の伸長端の局在を解析し, 紡錘体双極性の確立における動的微小管の相互な束化を可視化する. 加えて, 微小管と染色体の2重可視化株を用いたライブセルイメージングにより, Minispindle内の微小管配向角度を定量する.
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Causes of Carryover |
本年度は3重可視化株の作成に注力していたため共同研究先におけるライブイメージング実験回数が予定より少なかった. そのため共同研究旅費分の支出が大きく減少した. 次年度はライブイメージング実験回数を予定以上に行うことになるので, 本年分の共同研究旅費は次年度以降に執行される予定である. また設備備品費においては, 購入予定の備品の設置場所の確保が難しく, 本年度の購入は断念した. しかし, 次年度以降での設置場所の確保の見通しがたったので, 次年度以降に購入予定である.
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Research Products
(1 results)