2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K06311
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
玉置 大介 富山大学, 学術研究部理学系, 助教 (20793053)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 紡錘体 / 微小管 / 双極性 / 植物細胞 / 細胞分裂 / 重力環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
タバコ培養細胞を用いた過重力実験,クリノスタットによる疑似微小重力実験を行い,重力の大きさの変化が植物細胞の細胞分裂に与える影響の解析を行った.その結果,タバコ培養細胞においては疑似微小重力により細胞分裂が促進すること,過重力は細胞分裂頻度に影響を与えないことを明らかにした.重力環境の大きさの変化が微小管構造体の形成に与える影響の解析については,重力処理直後の微小管・核可視化タバコ培養細胞を化学固定し,蛍光タンパク質標識された微小管の観察を試みたが,定量解析可能な像を得ることができなかったので,免疫蛍光染色法による微小管の可視化を試みた.その結果,タバコ培養細胞に適した微小管の免疫蛍光染色法を確立することはできたので,定量的な解析は次年度以降に行う. 過重力または疑似微小重力処理を行ったタバコ培養細胞においてプロテオーム解析及びトランスクリプトーム解析を実施した.過重力処理を行った場合のプロテオーム解析は昨年度行っていたので,疑似微小重力処理を行ったタバコ培養細胞おいてnano-LC MS/MSによるプロテオーム解析を行い,重力の大きさの変化により発現が変動する数百個のタンパク質を同定することができた.その中には細胞骨格・細胞周期に関連するものも含まれていた.また細胞分裂が促進する疑似微小重力下でのみ発現が変化する数十個のタンパク質を同定した.過重力または疑似微小重力処理を行ったタバコ培養細胞を用いて,RNA-seqによるトランスクリプトーム解析についても実施したが,現在データ解析中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
重力の大きさの変化が双極性紡錘体の形成に与える影響についての実験計画は進めることができたが, 新型コロナウイルスの感染拡大により研究活動が制限され, 当初予定していた Minispindleを用いた実験計画を進めることができなかった. そのため補助事業期間延長申請を行なった.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は, 本年度成果を得ることができなかったMinispindle内での動的微小管の束化の解析と安定微小管が新規の動的微小管の形成の足場となっているか否かの解析を中心に行う.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大により研究活動が制限され, 研究計画が予定通り進められなかったため, 受領額全てを使用することができなかった. そのため 補助事業期間延長申請を行なった. 延長申請により生じた次年度使用額は, 本年度に成果を得ることができなかったMinispindle内での動的微小管の束化の解析と安定微小管が新規の動的微小管の形成の足場となっているか否かの解析に関わる消耗品,試薬の購入等に使用する予定である.
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