2022 Fiscal Year Annual Research Report
Neuronal circuit for sugar searching behavior in Drosophila
Project/Area Number |
18K06335
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
谷村 禎一 名古屋大学, 理学研究科, 招へい教員 (20142010)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ショウジョウバエ / 探索行動 / 光遺伝学 / 糖受容 |
Outline of Annual Research Achievements |
昆虫の位置情報認識行動の神経機構を理解するために、ショウジョウバエの糖探索行動を制御する神経回路を同定することが本研究課題の目標であった。空腹のショウジョウバエは、少量の糖溶液を摂取してなお空腹であると、糖溶液があった場所の周囲を歩行探索しつつ、時折、糖溶液が最初にあった場所に戻ってくる一連の探索行動を1分間ほど行う(Murata et al., 2017)。この行動はハエが満腹時には起こらなく、さらなる糖溶液を求めて起こる定型的行動である。行動の重要な要素はハエが平面上の自分の位置と糖溶液があった位置を認識できることである。Gal4/UAS法を用いて、脳内の特定のニューロン群を光学遺伝的に神経興奮させて、糖探索行動への影響を調べる実験計画書に書いたアプローチを検討した。まず、光刺激がハエの糖探索行動に影響がないことを確認した。次に、UAS-channel rhodopsin(ChR)を用いて光刺激により特定のニューロンを活性化した。その結果、活性化によって探索行動が阻害された場合に、それが別の行動プログラムの駆動によって引き起こされる可能性を除外できないことが懸念された。そこで次年度に神経活動の不活性化による方法を用いる戦略に修正した。Halorhodopsin (NpHR)は光刺激により作動するchloride pumpで神経活動を不活性化できるUAS-NpHRを用いる実験を行った。糖探索行動のどの時点で光刺激を与えるかを検討し、糖があった原点の場所から一定の距離を離れて停止している時点で光刺激を与えて、その後、原点に戻ることができるかを異なる種々のGal4系統を用いて検討した。その結果、原点への復帰ができなくなる系統を選び出すことができたが詳細な神経回路の同定までには至らなかった。
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