2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K06343
|
Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
上野 太郎 東邦大学, 理学部, 講師 (30648267)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | グリア細胞 / 睡眠 |
Outline of Annual Research Achievements |
グリア細胞のクラスターによる睡眠覚醒制御への影響を調べるために、温度依存性チャネルであるdTrpA1をGAL4/UASシステムを用いて様々なGAL4ドライバーで発現させ、温度変化による睡眠量の変化を解析した。一部のGAL4ドライバーでdTrpA1を発現させた個体では、温度上昇とともに睡眠時間の減少が見られ、覚醒の誘導に働いていることが観察された。一方で温度上昇とともに睡眠時間の増加を示す個体も一部のGAL4ドライバーでは認められ、睡眠誘導もしくは歩行への影響があるものと考えられた。 CRISPR/Cas9を用いてドーパミン受容体変異体(D1R1受容体変異体ならびにD1R2受容体変異体)を作成し、得られたそれぞれの個体において睡眠解析を実施した。本研究成果は共同研究結果として論文発表を行った(Akiba et al., 2020, EJN)。 末梢神経損傷に伴う軸索クリアランスにはグリア細胞が関与していることが知られており、睡眠覚醒がこれら現象にどのように関与しているかについても検討した。GAL4/UASシステムを用いて羽や触角の神経細胞にGFPを発現させた個体を用いて、これらの組織を切除した後の軸索クリアランスを検討した。睡眠制御の方法としては、カフェインや機会的振動による睡眠時間の減少、3-IYやガボキサドールによる睡眠時間の増加を介入として用いた。睡眠時間を減少させた個体では末梢神経損傷後の軸索クリアランスの遅延が認められた。上記結果をもとに、軸索クリアランスに関与する細胞内シグナルの増減について検証している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
神経損傷後の軸索クリアランスと睡眠に関する研究については、直近で海外からの論文発表が同様の内容であり、方向性の検討が必要である。
|
Strategy for Future Research Activity |
グリア細胞のクラスターにおける睡眠覚醒制御についてはより詳細な検討を実施する。 神経損傷後の軸索クリアランスへの睡眠覚醒の影響については、遺伝学的な介入を検討する。
|
Causes of Carryover |
研究計画の方針転換と感染拡大による研究遅延
|