2020 Fiscal Year Research-status Report
Mechanism of meiosis in triploid planarian- Different chromosome elimination between sex.
Project/Area Number |
18K06352
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松本 緑 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (00211574)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 減数分裂 / 染色体分配 / プラナリア / 3倍体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、3倍体プラナリアの雌性減数分裂における染色体分配機構の解明を目的として、減数分裂関連遺伝子の探索とその発現部位解析を行なった。 減数分裂関連遺伝子の候補を、無性生殖個体、有性化開始後2ヶ月の個体、有性化開始後5ヶ月の個体の3つの状態のプラナリアについてmRNAを単離し、RNAseqを用いて探索した。無性生殖個体で発現がなく、完全有性化終了後、交尾を始める段階の個体の有性化開始後2ヶ月で発現が上昇し、交尾が収束する有性化開始後5ヶ月の個体で発現が減少する遺伝子を減数分裂関連遺伝子候補として探索した。得られた遺伝子については、RT-PCRにより有性化個体と無性個体の遺伝子発現量解析を行なった。さらに、得られた有性化個体特異的減数分裂関連遺伝子を用い、Whole mount in situ hybridization(WISH)による発現部位解析を行なった。 減数分裂関連遺伝子候補として、カゼインキナーゼ1α(DrCK1A)、tubulin α及びβ(DrTUBA1、DrTUBB)についてWISHを行なった結果、DrCK1Aは卵巣と精巣部位に、DrTUBA1、DrTUBBは精巣部位に発現が得られた。カゼインキナーゼ1αは、哺乳類等で染色体分配機構に関連することが知られており、中心体がないプラナリアにおいても減数分裂における特殊な染色体分配調節に関与する可能性が考えられる。 DrCK1Aは、雌性減数分裂の染色体分配を調節する可能性も考えられることから、Casein Kinase 1 alpha抗体による卵母細胞に対する免疫組織化学染色により、卵母細胞におけるDrCK1Aの局在と機能を理解することができる。また、及びDrCK1A(RNAi)により、この遺伝子と染色体分配機構との関連性を解明することが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
3倍体雌性生殖細胞の特殊な分裂装置と染色体の関係の観察については、4月から始める予定で準備をしてきた実験を、コロナ禍のため、途中中断することとなり、半年近くを無駄にすることとなった。その代わり、新しくRNAseqを用いた実験を計画し、ターゲットとなる遺伝子を単離することはできた。
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Strategy for Future Research Activity |
3倍体雌性生殖細胞の特殊な分裂装置と染色体の関係の観察については、今まで、共焦点顕微鏡での観察のみを行ってきたが、新しく、超解像顕微鏡を用いることにより、よりクリアな分裂像を観察することを目指す。現在、サンプルの作り方から調整を開始している。 昨年度、RNAseqにより得られた遺伝子(カゼインキナーゼα)についてその分裂装置との関連などを分裂細胞の免疫染色などを用いて調べていきたいと考えている。 さらに、2倍体系統を作成したので、2倍体と3倍体の有性化個体における遺伝子発現の差についても調べる予定である。
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Causes of Carryover |
3倍体雌性生殖細胞の特殊な分裂装置と染色体の関係の観察については、4月から始める予定で準備をしてきた実験を、コロナ禍のため、途中中断することとなり、半年近くを無駄にすることとなった。その代わり、新しくRNAseqを用いた実験を計画し、ターゲットとなる遺伝子を単離することはできた。このような状況のため、次年度使用額が生じた。 本年度は、3倍体雌性生殖細胞の特殊な分裂装置と染色体の関係の観察については、今まで、共焦点顕微鏡での観察のみを行ってきたが、新しく、超解像顕微鏡を用いることにより、よりクリアな分裂像を観察することを目指す。現在、サンプルの作り方から調整を開始している。 昨年度、RNAseqにより得られた遺伝子(カゼインキナーゼα)についてその分裂装置との関連などを分裂細胞の免疫染色などを用いて調べていきたいと考えている。 さらに、2倍体系統を作成したので、2倍体と3倍体の有性化個体における遺伝子発現の差についても調べる予定である。
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