2018 Fiscal Year Research-status Report
有性生殖を介した抗酸菌進化モデルの実験と集団ゲノミクスによる検証
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18K06357
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
矢野 大和 東北大学, 生命科学研究科, 講師 (20646773)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 抗酸菌 / ゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
Mycobacterium avium株間のDNA伝達を検出する実験系を構築するため、形質転換しややすい株のスクリーニングを臨床分離株を対象として行った。3株には、蛍光タンパク質遺伝子を保有するプラスミドを導入することができた。 本研究の目的の一つは可動遺伝因子に依存しないDNA伝達の仕組みを解明することであるが、これまでにゲノムが解読されたMycobacterium aviumアジア系統株はプラスミドを保有していた。プラスミドを保有していないMycobacterium aviumアジア系統株を探すため、2株についてロングリードを用いたゲノムシーケンシングを行った。 本計画に含まれている環境分離株の収集作業を効率化するため、ジェノタイピングに利用できる系統マーカーとなるSNPを保有している遺伝子座を情報学的にスクリーニングした。これには125株分の公開されているゲノム情報を利用した。 健常者の浴室のシャワー水、バイオフィルムを対象として、Mycobacterium avium株の分離培養実験を行い37株のMycobacterium avium分離株を取得した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
M.aviumの形質転換能力が低いためか染色体にトランスポゾンを用いてDNAを挿入することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は他のマイコバクテリウム種で形質導入に利用されているファージを用いるなどし、DNAの導入系を改善したい。また、他のマイコバクテリウム種の遺伝学実験で実績のある専門家に協力していただく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は主にM.avium株の分子遺伝学実験が予想以上に困難であり、DNA伝達の実験を行うことができなかったためである。次年度使用額は、形質導入実験系の検討、及びプラスミドを持たない株の実験または情報解析を用いたスクリーニングに充てる。
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Research Products
(4 results)