2020 Fiscal Year Research-status Report
オーソログ遺伝子群を用いた嗅覚受容体遺伝子のゲノム進化解析と環境要因との相関
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18K06359
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
新村 芳人 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任准教授 (90396979)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 嗅覚受容体 / 遺伝子ファミリー / 哺乳類 / フェロモン / ゲノム進化 / 多型 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、以下の研究実績を得た。
（１）フェロモン受容に関するタイプ2鋤鼻受容体のリガンドであるペプチド性フェロモンESP遺伝子ファミリーに関して、その進化と起源に関する解析を行った。その結果、ESP遺伝子は、レトロトランスポジションによってゲノムに組み込まれたグロビン遺伝子が、偶然近くにあったCRISP遺伝子のシグナル配列を乗っ取ることによって生じたというシナリオを提唱した。論文はMolecular Biology and Evolution誌に掲載された。
（２）400種の哺乳類ゲノムからOR遺伝子の網羅的同定を行った。ゲノムによってアセンブルの精度にばらつきがあることから、アセンブル精度を補正する方法を確立し、種間の正確な比較が可能となった。その過程で、ある種が非常に多くのOR遺伝子をもつという興味深い知見を見出した。現在、この種を近縁種と比較することで、より詳細な解析を進めている。
（３）ヒト集団内でのOR遺伝子レパートリーの多様性と、匂い知覚の個人差との関係を明らかにすることを目的として、ヒト千人ゲノムデータベースを用いた解析を行った。その結果、ヒトORには数多くの分離偽遺伝子が存在するため、個人ごとにもっているOR遺伝子レパートリーが大きく異なること、ヒトOR遺伝子上に存在する多型には他の種には見られない偏りがあることを見出した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に大量の哺乳類ゲノムが公開されたことで遅れが生じたが、それ以降はおおむね順調に進展していると言える。
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| Strategy for Future Research Activity |
今年度は最終年度なので、上記（２）（３）についての研究成果を論文にまとめ、投稿する。
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| Causes of Carryover |
新型コロナウイルスによって対面での学会や研究打ち合わせがすべて中止となり、未使用額が生じた。今年度は、使用できるゲノムデータ量が当初の予定よりも大幅に増えたことから、新規ワークステーションを購入して解析を進める。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] The evolution of ecological flexibility, large brains, and long lives: capuchin monkey genomics revealed with fecalFACS.2021
Author(s)
Orkin JD, Montague MJ, Tejada-Martinez D, de Manuel M, del Campo J, Hernandez SC, Fiore AD, Fontsere C, Hodgson JA, Janiak MC, Kuderna LFK, Lizano E, Martin MP, Niimura Y, Perry GH, Valverde CS, Tang J, Warren WC, de Magalhaes JP, Kawamura S, Marquès-Bonet T, Krawetz R, Melin AD
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci USA
Volume: 118
Pages: e2010632118
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Comparative genomic analyses illuminate the distinct evolution of megabats within Chiroptera.2020
Author(s)
Nikaido M, Kondo S, Zhang Z, Wu J, Nishihara H, Niimura Y, Suzuki S, Touhara K, Suzuki Y, Noguchi H, Minakuchi Y, Toyoda A, Fujiyama A, Sugano S, Yoneda M, Kai C
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Journal Title
DNA Res
Volume: 27
Pages: dsaa021
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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