2020 Fiscal Year Research-status Report
Evolution of personality and individual difference : a comparative primate neuroimaging study
Project/Area Number |
18K06372
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
横山 ちひろ 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 上級研究員 (90264754)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | パーソナリティ / 非ヒト霊長類 / fMRI / PET |
Outline of Annual Research Achievements |
性格(パーソナリティ)とは個人を特徴づける持続的で一貫した行動傾向であり、ヒト以外の動物界にも広く認められる。ヒトのパーソナリティについては多数例を用いた脳機能イメージング研究により、その特徴が脳の構造的・機能的特徴と関連付けられることがわかってきた。本研究は、ヒトに近縁な霊長類のなかでもヒトと近い社会性を示すコモンマーモセットを用いて、飼育者の質問紙によるパーソナリティ評定を行い、脳機能イメージング法による脳画像を取得し、そのパーソナリティと脳の構造的・機能的特徴を関連付けることを目的としている。これにより、ヒトを含む霊長類における社会行動の多様性の進化的意義を考察したい。 本年度は、前年度までに取得した50頭のコモンマーモセットのセロトニンおよびドーパミン神経系を標的にしたPET画像、高解像度の脳構造および安静時機能MRI画像の解析を進めた。また、前年度までに取得した128頭分の質問紙データ解析により明らかになったパーソナリティ5因子およびセロトニン1a受容体のSNP多型との関連について論文を投稿した。ただ、ヒト脳画像処理パイプラインのコモンマーモセット脳画像への最適化(パラメーター設定)は未だ難航しており、皮質構造、安静時MRIによるコネクトーム抽出を完了させることはできなかった。PETによる神経伝達物質効率の定量化については約半数の個体の解析を完了し全例解析に向けて目下作業中である。パーソナリティ5因子、セロトニン1a受容体のSNP多型との関連の論文投稿を終え、現在リバイス中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
評価個体を増やして解析したパーソナリティ評価とセロトニン受容体の関連について論文投稿を行いリバイス中であること、PET画像解析は着実に進んでいることについては進捗が認められる。しかし、構造および機能MRI画像解析における皮質領域の自動推定に関して、マーモセット脳画像への最適化(パラメーター設定)が未だ不十分とわかり再度取り掛かっている状況にあり、この点で進捗はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
マーモセット脳マルチモーダル画像データベース構築を実現するために必須の、ヒト脳画像処理パイプラインのコモンマーモセット脳画像への最適化(パラメーター設定)を進め、皮質構造、安静時MRIによるコネクトーム抽出、PETによる神経伝達物質効率の皮質マッピングを続ける。また脳画像統計により、パーソナリティに関連した構造的特徴や機能的結合を抽出し、ヒト研究の結果と比較する。セロトニン1a受容体のSNP多型については今後さらにサンプル数を増やして再解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
脳画像処理パイプライン適用後の画像処理とマーモセット脳マルチモーダル画像データベース構築が未達成のため、脳画像解析の継続に必要な予算、その他情報交換や研究成果発信のための旅費、英文校正費などが必要である。
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