2019 Fiscal Year Research-status Report
Dispersal and evolution of marine dipterous insects in the continent of Africa
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18K06402
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Research Institution | Lake Biwa Museum |
Principal Investigator |
桝永 一宏 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 総括学芸員 (50344346)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アフリカ / 双翅目 / 分散 / 進化 / 分類 / 系統 / 生物地理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本来は陸生である昆虫類が淡水域に適応した例は見られるが、海洋環境に適応した例はほとんど見られない。このような、淡水から海水までの生態学的に適応範囲が広い種類の成立過程を解明するため、淡水から海水へ進出した起源地の可能性のあるアフリカ大陸に焦点を絞り、本グループの起源地、分散経路、種分化、多様性について解明することが目的である。海水環境に適応したグループの中で原始的で、アフリカ大陸周辺にしか生息していない固有種が分布している。そこで、進化学的研究に必要な DNA解析用の標本や、形態学的研究に必要な参照標本を収集することを目的とした調査を行う。 今年度の野外調査により、ケニアから岩礁海岸性のCymatopus属の1未記載種が採集された。タンザニアからはCymatopus属の1未記載種が採集された。モザンビークからはCymatopus属の2未記載種とAsydentus属の1未記載種が採集された。南アフリカからは岩礁海岸性のCemocarus griseatusとCemocarus stuckenbergiの2既知種とCemocarus属の3未記載種、塩性湿地に生息するThinophilus属の2未記載種が採集された。特に、東アフリカから見つかったCymatopus属やAsydentus属については、今回の調査により初めての記録となるものであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和元年度は、アフリカ大陸のケニア、タンザニア、モザンビーク、南アフリカで分布調査と標本の収集を行う事ができた。ケニアから岩礁海岸性のCymatopus属の1未記載種、タンザニアからはCymatopus属の1未記載種、モザンビークからはCymatopus属の2未記載種とAsydentus属の1未記載種、南アフリカからは岩礁海岸性のCemocarus griseatusとCemocarus stuckenbergiの2既知種とCemocarus属の3未記載種、塩性湿地に生息するThinophilus属の2未記載種が採集された。これら採集された未記載種について、標本作成と記載の準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の現地調査はアフリカ大陸の西岸を予定しているが、新型コロナウイルスの感染拡大がアフリカ大陸で懸念されるところなので、現地の最新情報の入手に努め、柔軟に対応して研究を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
(理由)令和元年度の野外調査が令和2年度にまたがり、現時点で旅費の精算を終えていないため。 (使用計画)令和2年度は、アフリカ大陸西岸での野外調査を予定している。
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