2021 Fiscal Year Annual Research Report
Empirical assessment of a self-similar model of photosynthesis of trees
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18K06406
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
小山 耕平 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (70709170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 健 琉球大学, 理学部, 准教授 (00634693)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アロメトリー / スケーリング / 植物生態学 / 植物生理生態学 |
Outline of Annual Research Achievements |
地球上の生物は、それぞれの環境に適応した多様な形態を持っている。例えば、植物の葉の形は種によって大きく異なる。そのため、植物の形態などを研究する際、1つの種で見つかった法則が他の種で成立しないことが多くある。しかし以前から、地球上の様々な気候帯に生育する非常に多くの植物種に対して、「同種内で葉1枚の面積は長さと幅の積に比例する」という関係が成立することが知られている。この関係を利用して、いくつかの葉を採取して比例係数を測定しておけば、それ以降は葉が植物に付いたままの状態で葉の長さと幅を測定すれば葉面積が計測できる。 今回の研究成果では、陸上植物の互いに大きく離れた分類群(単子葉類、モクレン目、真正双子葉類)から選んだ植物5種に対して、上述の関係式を世界で初めてシュート(葉を含む枝全体)レベルに拡張した。1本のシュートには、様々な大きさの葉がついている(例えばコマツナ)。そのため、1本のシュートの合計葉面積を求めるためには、それぞれの葉の面積を測定して合計する必要がある。しかし、1本のシュートについている葉の集団をまるごと大きな1枚の葉とみなし、大きさの異なるシュートを比較したところ、全体が同じ形を保持したまま拡大・縮小した関係になっていることを発見した。1枚の葉の時と同様、この葉の集団の「長さ」と「幅」の積を求めたところ、全体の合計葉面積と非常にきれいな比例関係が見つかった。さらに、「長さ」と「幅」のどちらか1方だけでも、かなり良い精度で合計葉面積を推定できた。つまり、シュート全体の中で1番大きい葉の長さを測定すれば、シュート全体の葉面積が推定できることが明らかになった。
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