• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2019 Fiscal Year Research-status Report

構造色由来の色彩個体差の発生機構~性選択における構造色の意味を探る~

Research Project

Project/Area Number 18K06436
Research InstitutionYamashina Institute for Ornithology

Principal Investigator

森本 元  公益財団法人山階鳥類研究所, 自然誌研究室, 研究員 (60468717)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 松原 始  東京大学, 総合研究博物館, 特任准教授 (40378592)
山口 典之  長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(環境), 准教授 (60436764)
Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywords構造色 / 視覚信号 / 発色機構 / 羽毛 / 鳥類 / 発色 / 色彩
Outline of Annual Research Achievements

動物において、外見は個体間相互作用の信号として機能する。特に、色は個体の質を表す機能があり、資源獲得や個体間闘争に用いられていることが広く知られている。鳥類は種や個体に多くの色彩変異があることから、こうした色彩による個体間視覚信号の研究に適した材料として広く用いられてきた。そして、近年の研究の進展の結果、色の違いが視覚信号としての意味にも違いをもつことが分かりつつある。具体的には、次に述べる色彩の発色機構に依存して信号の意味が異なるというものである。鳥類の色彩は主に色素による発色(カロテノイド色素、メラニン色素)と、羽毛内部の微細構造による光学現象で発色する構造色に大別される。とくにこの「構造色」に関する研究は、他の二つに比べ近年になって盛んになった比較的新しい研究分野である。青色などを発色する鳥類の構造色は、昆虫や魚類とは異なる微細構造で発色することも知られている。こうした発色機構の解明だけでなく、その仕組みに応じて検討されうる視覚信号としての意味についても、検討が可能な土台が揃いつつある。そこで本研究は、このユニークな鳥類型の構造色の発色機構に着目し研究を進めることで、個体間の視覚信号として機能する構造色のメカニズムを解き明かすことを目的とする。
3年計画の2年目である本年度は、1) 野外での羽毛サンプリングと構造色の鳥類の生態調査と、2) 各鳥種の構造色の情報整理と測定、3) 特定種における羽毛の微細構造の解明に重点を置き研究を進め、4)アウトリーチといった本研究に関連するその他の活動も実施した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

1)羽毛サンプリングだけでなく構造色である鳥類ルリビタキを中心とした生態調査を実施した。
2)多種の羽色を対象として、羽毛における発色を調べた。具体的には、発色パターンの情報を整理し、かつ、光学カメラによる撮影と色彩の観察を実施した。
3)特定の種について構造色を発色する羽毛の微細構造に関する生物学的分析を進め、その知見や成果について学会発表や専門誌での記事執筆を行った。共同研究者とともに分析に関する論文を投稿準備中である。
4) 本研究の代表者は、本課題に関連する鳥類の色彩や発色に関する社会へのアウトリーチ活動に重点をおき、講演や一般誌への執筆を行った。

Strategy for Future Research Activity

本研究は概ね順調に進展している。次年度においては、これまでの研究データのさらなる充足と、最終年度としての取りまとめへ移行し、本研究の目的である鳥類の構造色の信号機能の解明に迫る研究成果へと結びつけたい。
以下、各項目について詳述する。
1) サンプリングは目的を達成しつつあるので、生態調査によるデータ収集を重点化する。
2) 既に整理中の特定種の構造色発色に関するデータの整理と羽毛の色彩測定をさらに進める。
3) 引き続き、特定種における羽毛の微細構造の解明に重点を置き研究を進め、信号機能の理解に結結びつけるための発色プロセスおよび発色機構、発色の機能の解明に迫る研究を推進する。また、進行中の分析結果についての成果を論文として投稿する。
4) 社会へのアウトリーチ活動を重視し、一般記事や講演といった情報発信を通じて、積極的な本研究成果の社会還元を引き続きすすめる。

Causes of Carryover

分担者にて次年度繰り越しが生じた。これは国際シンポジウム・調査に使用予定だった旅費や研究消耗品購入予定が、新型コロナウイルスの影響により延期となったためである。次年度にて研究旅費および研究消耗品にて使用を予定している。

  • Research Products

    (2 results)

All 2020 2019

All Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] 鳥の色彩と構造色2020

    • Author(s)
      森本元
    • Organizer
      我孫子市鳥の博物館・鳥博テーマトーク(講演)
  • [Presentation] メラニンによる羽色の発色 -茶色・黒色や構造色の青色-2019

    • Author(s)
      森本元
    • Organizer
      第16回バード&スモールアニマルフェア
    • Invited

URL: 

Published: 2021-01-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi